ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照100突破! ( No.53 )
- 日時: 2011/05/10 20:23
- 名前: 青銅 (ID: zXyKVICa)
〜第16話 狼は鯨を狩る〜
「相手は貴様か・・・。」
「おうよ、俺は狼藉 制覇!異名は鯨の制覇よぉ!」
「ふっ・・・八極拳の別名は『陸の船』だ・・・鯨は捕鯨せねばな・・・。」
「ンだとっ!」
そのとき、横から小五郎現れる。
「さぁさぁ第3試合!青コーナー、見た目も去ることながら非常に高い実力を誇るクールガイ!漆黒の狼 村雨 崙選手!」
「・・・・・。」
「赤コーナー、幻獣門きっての喧嘩番長!己のたった一つの勲章の為に今日も喧嘩に明け暮れる!鯨の制覇こと狼藉 制覇選手!」
またもラジオを取り出してスイッチを入れて擬似の歓声を上げさせる。
「それでは試合開始〜!」
ゴングを鳴らすとやはりそそくさと去ってゆく小五郎。
それを合図に制覇は突っ込んでくる。
「オラよ!ヤキいれてやるよ!」
そういうとナックルパンチを放つ。
ロンはそれを余裕で回避するといつもどおり懐へ入り込む。
「ふんっ・・・やはり幻獣だろうが懐に入られれば終わりだな・・・はっ!」
胸部に掌を置き、寸頚を放つ。
「うぐっ・・・へへっ・・・かかりやがったな・・・!」
「・・・!?」
寸頚を喰らった制覇はロンの腕を掴む。
そしてロンの腕をひねり、倒してしまう。
「しまった・・・!」
「ほらよっ!倍返しにしてやるぜ!」
ロンにマウントポジションを取り、顔面を殴り飛ばす。
「うぐっ・・・。」
「ホラホラ、ドンドン行くぜぇ!」
顔面を殴り続ける制覇。
苦痛の表情を浮かべるロン。
「次はこれだ。」
関節に打撃を加え、その後にアームロックを決める。
そしてギリギリと間接にダメージを与えて行く。
「如何だ如何だ!?システマの真髄は接近戦での関節技などにあるんだ!中国拳法とか言うまがい物の闘術に負けるかよ!」
さらにギリギリとダメージを与えてゆく制覇。
ロンは苦痛の表情を浮かべながらも自由な左腕を動かす。
「ふっ・・・貴様の関節技には盲点がある・・・それは両手を極めきれてない事だ!」
ロンは左腕をむこうずねにまで運ぶとそのまま寸頚を放った。
その衝撃でダメージを受けた制覇はアームロックを解除。
そのスキに立ち上がり、間合いを離す。
「イテテ・・・なかなかやるじゃねぇか・・・。」
「貴様もな・・・だが貴様など俺には適わぬ!」
再び間合いを詰めるロン。
しかし、制覇は今度は小刻みに動き回り、寸頚をする暇を与えさせない。
「くっ・・・ちょこまかと・・・!」
「システマは動き回る戦いも主流とするんだよ!寝技だけと思うな!」
動き回りながらパンチやキックなどを放つ制覇。
ロンも負けじと防ぎ、反撃に徹する。
「へっ、この程度かよ!」
「・・・やむを得ぬな・・・。」
動きを止めるロン。
そして腕にオーラが現れる。
気功をやるつもりだ。
「させるかよ!」
「ッ!?」
気功を放つ前に腹部に打撃を与える。
よろけるロン。
さらに追い討ちを仕掛ける制覇。
震脚でかわそうとするが次々と動きを見切られてしまう。
「おらおら!イケメン野郎!これでも捕鯨できると思ってんのか!?」
「・・・!」
攻撃を受け続けるロン。
その頃、外では・・・。
「ロン様・・・!このままでは・・・。」
「ドアホッ!」
嘆くリイフェンにレオンが殴りかかる。
「な、何を!?」
「テメェ、ロンがあんなのに負けると思ってんのか!」
「で、でも」
「デモもストもデモンストレーションもねぇ!あいつは勝つんだよ!黙ってみてろ!」
そのままモニターを見るレオン。
一方、ラフファイトを崩さない制覇は次々と攻撃を決めている。
「へっ・・・イケメン野郎・・・これでテメェもおしまいだぜ。結局はその程度だったな!雑魚!ハハハ!」
勝ち誇ったかの様に笑い声を上げる制覇。
その時、ロンはその言葉に反応を示した。
「雑魚・・・だと・・・?」
「あぁ勿論よ!テメェは雑魚だよ!それも最上級のな!そんじゃ止めだ!くたばれ雑魚!」
拳を振り上げて強烈な突きを放とうとする。
しかし、ロンはその拳を受け流すと高速で寸頚を放った。
「うぉっ!?な、何だ!?」
「雑魚・・・だと・・・誰に向かってその口を叩いている!」
強力な視線を制覇に向ける。
そう、プライドの高いロンにとって『雑魚』と言う言葉は逆鱗なのだ。
「な、何が・・・雑魚があがきやがって!」
もう一度鉄拳を放とうとする制覇。
ロンはその腕を掴むと今度は次々と寸頚を決めてゆく。
「オゥワッ!ちょっ!何でこんな力が!?」
「貴様は俺を怒らせた。それだけだ。」
さっきと真逆に攻撃を決めてゆくロン。
反撃する隙も与えない。
「ウ・・・くっ・・・!」
次々と攻撃を決めてゆく中、突然ロンは動きを止める。
制覇は一旦間合いを離した。
「へへっ・・・止めるとは何の風の吹き回しだ・・・?」
「貴様に最後のチャンスをやろう・・・貴様の全力の拳を放て。」
「へぇ・・・こりゃ運が味方になってくれたぜ!遠慮なく生かせてもらうぜ!」
「運・・・か・・・。」
そして制覇は体を大きく振りかぶる。
その後、接近して一気に殴りかかった。
「ほらよっ!くらいな!」
「・・・その程度か・・・!」
そしてロンもその身を構える。
全身に力をため、そして殴りかかる瞬間。
「鉄山靠!」
ロンはその奥義を放つ。
ぶつかった瞬間に制覇は弾き飛ばされる。
「俺の戦いに運などではとても足りぬ・・・兎も角、捕鯨完了だ・・・。」
部屋から出てくるロン。
出てくるや否やリイフェンから抱擁の祝福を受ける。
「ロン様〜!リイフェン信じてましたよ〜!」
「うっ・・・そ、それはな・・・。」
「(さっきまで心配してやがった癖に・・・)」
「(山の天気と女の気持ちは複雑アルよ。)」
嘆くレオンを宥めるメイ。
その頃、正来の部屋。
「あの制覇でもダメか・・・。」
「正来様・・・ここは俺がやってやりますよ・・・。」
「おぉ、お前ならいけるだろう・・・行って来い、驫木よ。」
「承知しました・・・。」
そして門をくぐる驫木。
門の外では。
「最後は俺が出てやるぜ!」
『そうかい・・・だが、最後は我が配下最強の実力を誇るヤツなのだからな。』
「おぉ!そりゃ面白ぇ!受けてたつぜ!」
『では、入るが良い・・・。』
そして豹の門をくぐるレオン。
その頃、ある部屋にて。
「・・・あと少しか・・・。」
そこには、かつてレオンと戦い、敗れた男。
そう、龍玖が佇んでいた。
「ふっ・・・これが終われば全ても終わる・・・待ってやるよ・・・。」
彼が一体何を考えているのかは誰も知らない。
そして彼は部屋を去っていった。
〜第16話 完〜