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Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照100突破! ( No.58 )
日時: 2011/05/21 21:14
名前: 青銅 (ID: saz7BosX)

〜第18話 最終決戦!正来VSファイター軍!〜

「ふふふ・・・時は来たね・・・。」

自室のチェアに佇む正来。
その台詞を喋り終えると同時に入り口のドアが勢いよく開かれた。
そう、レオン達が乗り込んできたのだ。

「見つけたぞ正来!観念しやがれ!」
「来ると思っていたよ君たち。私はファイターが大嫌いなのだ。君達に対して観念などしないよ。」
「負け惜しみか!テメェみたいなジジイに」
「まぁ、待て。これを見よ。」

指をパチンと鳴らすと天井が開き、そこから拘束されたロアが出てくる。

「ロアさん!?」
「ロア!テメェ何をした!」
「何、私が直々に始末しただけだ。」
「すまない・・・してやられた・・・。」

拘束されたまま苦虫を噛み潰した表情で謝るロア。
それを見て笑みを浮かべる正来。

「ふふふ・・・これで解かっただろう?君達に勝てるすべはない。」
「テメェ・・・!」
「・・・・・。」

正来が言い終わった後、不審にもタカはロアに近づく。
正来は不思議に思うが気に留めなかった。

「何のマネだ・・・。」
「少々お待ちくださいな。」
「そうだ!やっちまえ!タカ!」
「無駄だ・・・その拘束具を力で破ろうなど・・・。」
「ぬあぁぁぁぁ!!!!!」

タカは叫び、その拘束具に手をかけるとその常人離れの怪力で強引に破壊した。

「何と・・・。」
「っしゃあ!やったぜ!タカ!」
「すまぬ・・・。」
「何、大丈夫です。」

ロアは立ち上がる。
一瞬よろけるが何とか体制は立て直す。
そして正来に語る。

「さて・・・役者はそろった・・・今度こそ貴様を倒す!」
「ふふふ・・・いいだろう・・・来るが良い。」

正来は全員を案内するとある部屋に来る。
そこは何も無く、只、四角い空間が広がっているだけであった。

「此処なら邪魔な障害物も何も無いだろう・・・君達を葬るのにピッタリの場所だ。」
「そう言ってられるのも今のうちだぜ・・・ジジイ!」

部屋に入るや否や構えを取るレオン。
それを合図に仲間達は次々と構えを見せる。

「やれやれ・・・せっかちな人たちだ・・・いいだろう・・・来るが良い。」

正来もその構えを見せる。
するとまたも横からヤツが姿を見せた。

「さぁさぁ始まりました!本当の最終決戦!正来様と此処まで戦ってきた全てのファイター達!おなじみ実況と審判は私、佐山小五郎がお送りいたします!」
「では、すばらしい実況と公平な判断を頼むよ?」
「お任せください!それでは、皆様よろしいですか!?」
「勿論全員OKだ!」
「では始めます!レディーファイト!」

ゴングを鳴らすとそそくさと去ってゆく小五郎。
それと同時にレオンは真っ先に正来に駆ける。

「行くぞぉ!」

手始めに拳を一発放つレオン。
しかし、正来は見事にそれを捌くとレオンに蹴りを放ち、吹き飛ばす。

「うおっ!」
「兄貴!くそっ!行きますよ!」
「『お供しますよ先輩!』」
「私も行きます!」

3人掛かりで正来に挑むタカと紫庵、そしてクララ。。
正来はその場から動かない。

「相撲48手奥義 内無双!」
「ハイパーミラクルえぇ〜っと・・・クラーッシュ!」
「採!烈!」

投げ技と棒の振り下ろし、そして鉄扇の連撃を同時に仕掛ける。
それを正来はタカには腰を掴まれる前に蹴り、紫庵には手首を蹴って棒を落とし、その後に顔面に蹴りを放った。

「ここはアタシらがいくアルよ!」
「このリイフェンも参りまする!」
「一人だけなんてずるすぎるぜ!」
「拙者らも!」

メイを筆頭に次々と突撃してゆく。
そして四方から囲む。

「冥界破砕拳!」
「焔クナイ!」
「ベアナックル!」
「閃切り!」

次々とその必殺技を放つメイ達。
しかし、必殺技も正来にはかなわず次々と弾かれてゆく。

「やはりたいした事無いな・・・実力も無いくせに威張りおって・・・だから私はファイターは嫌いなのだ・・・。」
「ふっ・・・その寝言はオレ達を完全に倒してから言え!」

ロンは単身で正来に立ち向かう。
そして、ロンはその拳を放つ。
正来もその拳を交え、両者激しい打ち合いを続ける。

「もらった!寸頸!」

ロンは一瞬の隙を突いて正来の腹部目掛けて寸頸を放つ。

「うっ・・・少し効いたね・・・。」
「なっ!寸頸をまともに受けてその程度だと・・・!」
「悪いが私の『呼吸法』にはそんなもの何発受けようが通用せぬ。」
「何・・・!」

うろたえるロン。
それを正来は見逃さず、その足をロンの腹部に放つ。
一気に壁際まで吹き飛ばされるロン。

「うぐっ・・・!」
「ふぅ・・・さて、最後は君か・・・両親の二の舞にしてやろう・・・。」
「正来!!!」
「(何だ・・・両親だぁ・・・?)」

正来に強気な態度を崩さずに向かうロア。
一方、レオンは正来の言葉に不審を抱いていた。

「うぉぉ!!!」
「ふむっ・・・両親より腕は上だ・・・だが、私にはかなうまい・・・。」

ロアのフック、回し蹴りの連撃を何の苦も無くかわしてゆく正来。
一方のロアは正来の言葉は聞こえていない様子だ。

「・・・ふっ・・・さっきから思ったけど・・・いい加減にしやがれぇ!!!!!」

ロアに罵倒を浴びせ、殴り伏せる正来。

「うっ!」
「テメェなんだ!?両親の敵討ちでも取ろうってのか!?テメェみたいな雑魚に俺が負けるわけねぇだろうが!ゴミクズが!」

マウントポジションを取って殴り続ける正来。
その時だった。

「鉄沙掌!」
「むぅっ!?」

殴り続ける正来に鉄沙掌を放つレオン。
殴る事に夢中になっていた正来は見事にそれに当たって吹き飛んでしまう。

「ぐっ・・・少々油断したか・・・。」
「油断大敵だぜ・・・それと・・・ちょっと聞いて良いか?」
「何だね?」
「お前が『ロアの両親の仇』だの何だの言ってたけど・・・一体、お前とロアってどういう関係なんだ・・・?」
「ふっ・・・君が聞いて何になるんだね?」
「理由は無いけど聞く価値はあるぜ・・・。」

見下したような言い方でレオンに聞く正来。
それを平然とした顔で返すレオン。
そして正来はその口をあける。

「良いだろう・・・冥土の土産に持って行くが良い・・・私はロアの両親を殺したのだよ。」
「・・・っ!」

驚いた様な表情を見せるレオン。
その横でロアはトラウマなのか、恐怖に満ちた表情でその話を聞く。

「私も昔はファイターでね・・・その強さで名を馳せていたのだよ・・・だけどある日・・・ファイター生活に嫌気が差したんだ・・・。」
「差してそれからどうなった!」
「まぁまぁ、落ち着け・・・私がファイターをやめた後も次々と挑戦者はやってくる一方・・・それにイライラして襲い掛かってくるファイターは次々と再起不能にしたのだ・・・。」
「ナルホドね・・・。」
「まだ続きはある・・・私が再起不能にした相手は多くなりすぎて警察からも捜査が来たのだ・・・私はその権力でもみ消し続けたが・・・二人、しつこく捜査をするヤツがいたのだ・・・それが・・・ロアの両親だ!」

レオンは目を丸めて驚く。
ロアの恐怖心もいっそう大きくなっている。

「私は二人が目障りだった・・・何度もみ消してもしつこく捜査を続ける2人・・・そして私は考えた・・・あの二人を殺せばいいとな!」
「うわぁぁぁ!!!!!」

ロアはトラウマにより、大声を上げる。
レオンは真剣な表情で話を聞き続ける。

「そして私は二人を殺した・・・まぁ、ヤツラはファイター上がりだったもんで、殺すのに手間取ったがな・・・まぁ見事に殺したよ・・・その時に近くでワンワン泣いていたのがロア君だったな・・・その時の仇といったな・・・とんだお笑いだよ!確かその時に私に言ったね!必ず仕返しするって!馬鹿は万代まで続くんだね!ハハハハハ!!!!!」

狂ったかのように笑う正来。
ロアは最早恐怖で言葉が出ない様子だった。
しかし、それを聞いたレオンはその真剣な表情を崩さない。
それどころかその表情のまま座り込むとその拳を地面叩きつける。
その拳は地面に大きなクレーターを作り上げた。

「・・・何のつもりだね?」
「テメェは・・・人の命を何だと思ってんだ・・・?」
「ふっ・・・ファイターに命を語る権利はない・・・。」
「そうかい・・・。」

レオンはそういうと立ち上がり、ロアの胸倉を掴む。

「テメェもビビッてねぇで立ち上がれ!テメェあれだけボロクソ言われて黙ってるのか!?天国の父ちゃんと母ちゃんが浮かばれねぇぞ!」
「うっ・・・父さん・・・母さん・・・。」

ロアは思い出した。
自分がやるべきこと、そして両親が殺された時に決心した事を。

「目が覚めた・・・一気にやるぞ・・・。」
「よし来た!」
「悪いがオレもまだやれるぞ・・・。」
「ボクだって!」

ロアは立ち上がる。
立ち上がった直後、ロンやタカも再び立ち上がる。

「ロン!タカ!お前らも行くぜ!」
「了解です!」
「ふっ・・・。」
「反撃開始だ!」

4人は立ち上がると正来に向かってゆく。
正来は呆れつつもその構えを見せる。

「ふぅ・・・何人来ようが・・・。」
「四六拳!」

その拳の連打を放つレオン。
正来は片手でそれを受け止めてゆく。

「ふふふ・・・君の動きなどスローすぎるよ・・・。」
「実際、その油断が命を絶つ事になる。」

正来がその声の方向を向くとロンが何時の間に懐に入っていた。

「むっ!何時の間に!」
「寸頸!」

そしてロンは腹部に寸頸を放つ。
まともに食らった正来はよろけ、そのまま片手で捌いていたレオンの四六拳をもろ喰らってしまう。

「うぐっ!」
「今ですね・・・相撲48手奥義 一本背負い!」

四六拳を食らってよろける正来を腕を掴み、一本背負いを決めるタカ。
正来は起き上がろうとするがそれをチャンスとばかりにロアは正来に接近する。

「食らえ!アッパーカットぉ!!!」

ロアの放った拳は正来の顎を捉えた。
吹き飛ばされる正来。

「おのれ・・・。」
「『ジャンピングハイパーミラクルえぇ〜っと・・・クラーッシュ!!!』」
「夏夜!」
「串!」

正来はまた、起き上がるがそれに追い討ちをかけるように必殺技を放つ3人。

「『先生!自分もまだまだ行けます!』」
「私もです!」
「さぁ、今のうちに!」
「っしゃあ!よくやった!紫庵!クララ!」
「見事だ・・・リイフェン!」
「お次は拙者が・・・。」

今度はそれに畳み掛けるように総が向かってゆく。

「こしゃくなぁ!はぁっ!」
「漣流斬人抜刀術奥義 嵐斬!」

正来の手刀と総の乱れ切りが重なる。

「また、つまらぬ物を切ってしまった・・・。」

そういって刀を収めると正来の髪の毛とヒゲがキレイに切り落とされ、正来はハゲになってしまった。

「ぬわっ!私の髪が!」
「チャンスアルね!」
「ロン様にいいとこ見せるためにももう一踏ん張りよ!」
「ここは任せてくれ!女将!」

続いてメイと健吾が行く。
メイはその拳に幽霊100体を籠める。

「行くアルね!成仏昇天拳!」

正来の鳩尾に勢いよく拳を放ち、上空に上げる。
それを同じく上空に上がった健吾がキャッチしてパイルドライバーを放つ。

「たぁっ!どうだ!」
「うぐっ・・・。」
「止めと行くか・・・行くぜロア!」
「勿論だ!」

レオンとロアは正来に向かってゆく。

「うわぁ!く、来るな!」
「ロアの父ちゃん母ちゃんの分までキッチリお返しだ!新しい技行くぜ!」

そしてレオンとロアはその拳を構える。

「岳飛溜勢拳!!!」
「ストレートォ!!!」

お互いにその技をぶちかます。
それを食らった正来は壁まで吹き飛び、倒れた。

「がはっ・・・。」

その時、横から最早言うまでも無いであろう人物が出てくる。

「・・・勝負アリ!勝者!ファイターチームです!」
「っしゃあ!」

勝利の雄たけびを上げるレオン。
それぞれの者はその勝利に喜び、歓喜に浸る。
しかし、ロアは正来へと近づく。

「正来・・・貴様の負けだ・・・。」
「ま、待ってくれ・・・。」
「貴様を警察へ引き渡す。殺しはしない。殺したら同じ穴のムジナになるからな・・・。」
「や、やだ・・・刑務所のオリなんてヤダ・・・。」
「観念しろ!」

ロアが叫び、正来の胸倉を掴もうとした。
その時だった。
ロアの手は何者かに弾かれ、そのまま突き飛ばされてしまった。

「なっ、だ、誰だ!」

そこに居たのは、なんと龍玖だったのだ。

「テメェ・・・。」
「お、おぉ・・・龍玖よ・・・私を助けに来てくれたんだな!は、早く助けてくれ!」

龍玖は正来の方へ向き、笑顔を見せる。

「ほっ・・・。」

その笑顔に安心感を持つ正来。
しかし、その直後に龍玖は正来を殴り伏せたのだ。

「ぐはぁっ!」
「あ、アイツ何を・・・。」
「ば、馬鹿!私ではなく向こうを」
「ひゃっはっは!この時を待っていたぜ正来!テメェを助けるだぁ?甘ったれた事言ってんじゃねぇよ!」

そういうと龍玖は正来の胸倉を掴んだ。

「龍玖!何をする!」
「最初からテメェを倒すのが俺の目的だったんだよ!」
「な、何故だ!龍玖!」
「その名前を気安く呼ぶんじゃねぇよ!テメェのその態度と実力こそ、お前が嫌ってたファイターの本質そのものって気付かねぇ愚か者に呼ばれる名前はねぇんだよ!消えろ!」

そして龍玖は正来を上空に上げる。
龍玖はその拳を構えた。

「や、やめろ・・・やめろぉ!」
「香車貫手!!!」

龍玖は正来の胸元目掛けて貫手を放つ。
その手は、正来の体を、心臓を貫通していた。

「がはっ・・・。」

力なく倒れる正来。
その手を抜き、龍玖はレオン達に言った。

「おい、お前ら・・・今日の所は俺は用事がねぇから立ち去るぜ・・・だけど予言だ。いつか必ずまた会うだろうよ・・・ときはお前らの命はねぇ・・・後、出口はもう確保したからな・・・そんじゃあばよ。」

そういうとその場から去った。

「龍玖・・・アイツ、なに企んでんだ・・・?」
「僕らの命が無い・・・?」
「ハッタリだろうよ・・・そんな訳で今日の所はこの地下街に平和が戻ったんだ。打ち上げでも行くぜ!」
「賛成だぜ旦那!」
「あやかるとするでござるか・・・。」

全員レオンの打ち上げの話にわいわいとする。
しかし、ロンとリイフェンは。

「悪いが俺は戻って修行でもする・・・レオン、気をつけろよ・・・。」
「解かってるって!」
「ふんっ・・・行くぞ、リイフェン。」
「はっ。」

そしてロンとリイフェンは去っていった。
その後、打ち上げの為にレオン達もその部屋から離れ、地下街の外へと去っていった。






























その頃、ある場所にて。

「正来はやられたようだね。」
「やっぱりダメだったなぁ。高田、お前の見込んだやつもたいした事無いぜ。」
「そういう藤村もいつもダメじゃん。」

なにやら其処に居る2人は口論を始めた。
その時、ある男が入ってきた。
龍玖だ。

「お二人様、戻ってきました。」
「おぉ、龍玖じゃん。始末した?」
「勿論です。」
「OKOK。じゃあ次の計画行こうか。」
「だな。」

その男2人は部屋を去っていった。
彼らは何者なのか。
全てが謎に包まれている。
そして龍玖、彼の正体は一体なんだろうか・・・。
その頃。

「ボエ〜!!!」

レオン達はカラオケでゲロ声を披露していたのでした。

〜第18話 完〜