ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照300突破! ( No.77 )
- 日時: 2012/02/18 22:01
- 名前: 青銅 (ID: glXVlHlM)
〜第25話 幻獣門再び〜
「さぁさぁ今回の勝負は見ものだぁ!そのカードは、FBI及びICPOの秘密兵器であり、ミックスド・マーシャルアーツの達人!月砕 ロア・ヴァネッサ選手!対するは我が同僚であり、ロシア発システマの達人!そして軍隊仕込みの強靭な体の持ち主!鯨の制覇こと狼藉 制覇選手!」
「同じ軍人系対決じゃねぇか。おもしれぇ。」
「正来亡き今、普通に戦える時が来たか…。」
お互い準備運動を始めている。
「軍人対決っつっても複合格闘技のロアのほうが強いだろ。」
「ですけど腕によりますけどね・・・。」
「まぁ見れば解かるアルね。」
「それでは始めます!レディーファイト!」
戦いは始まった。
しばらくお互いに様子を見合った後、ロアが動く。
ロアはストレートパンチを放った。
しかし、対する制覇は複雑なステップでそれを回避していく。
「さぁさぁ、手始めのロア選手の攻撃を回避した制覇選手!累加さん、これは如何見ますか?」
「えぇ…正直あたしも同僚だったんだけどコイツはよく解からないんだよね〜。だからコイツの戦い方もよく解からない!」
「そうですか〜。おっと、此処で動きがあったぁ!ロア選手、ラッシュ攻撃だぁ!」
ロアのジャブ攻撃が制覇を襲う。
しかし、制覇のフットワークにかわされて行く。
「遅いぜ。もしかして相手が攻撃するときだけ止まるとでも思ってるのか?」
「・・・・・。」
「残念だぜ。システマの鉄則その1、動き続ける事!」
さらにステップの速度を上げてゆく制覇。
その動きにロアは翻弄されてゆく。
「あの動き…俺が戦ったときより速くなっている…。」
「くっ…ちょこまかと…。」
ロアは兎に角ジャブの速度を上げる。
しかし、制覇のスピードを捕らえきれない。
そして制覇はロアの目の前まで来る。
「ホラよ!もらったぁ!」
凄まじいスピードで肘撃ちを顔面に放つ制覇。
その速さにロアは回避できずに喰らってしまう。
「入ったぁ!今のは凄まじい一撃です!」
「えっ?マジ?システマってそんなに速いの?」
「へっ、マーシャルアーツも大したことねぇな。」
「くっ・・・。」
ロアはフック、アッパーカット、裏拳とコンビネーションで対抗する。
しかし、制覇は苦もなく攻撃をかわして行く。
「何故だ…何故当たらない…。」
「システマの鉄則その2 リラックスを保つ事!」
そう、制覇は平常心を保つ事で交わしていたのだ。
それに気付くロア。
「なら…これは如何だ!」
一気に間合いを詰めてアッパーカットを放つ。
それを回避する制覇。
「架かったな…はぁっ!」
そういうとロアはボディブローを放つ。
アッパーは囮だったのだ。
本当の攻撃であるボディブローが制覇の腹部に当たる。
吹き飛ぶ制覇。
「ふぅ…一本取られたぜ。」
「何と!制覇選手!全くダメージがない!」
「なんだと…!?」
「これぞシステマ技法 グランド・エクササイズ!」
制覇は攻撃を受けたときに自ら吹き飛ぶ事で威力を相殺していたのだ。
「打つ手なしだろ?さて、撲殺でも行くか。」
「ふっ…。」
その言葉に笑みを浮かべるロア。
制覇はそれを見てキレる。
「テメェ…そんなに打ち殺されてぇか?」
「そこまで言うならかかって来い。これで解かる。」
「いいじゃねぇか…やってやるよ!」
ハイスピードでロアに近づくとベア・ナックルを放つ。
ロアはそれをしゃがんで交わした。
「バカが!喰らえ!」
今度はサッカーボールキックを放つ。
しかし。
「上段の攻撃ばかりと思うな…はぁっ!」
「何っ!?」
「おーっと!此処で極度に低い体勢での足払いだぁ!!!」
足払いで体勢を崩させるロア。
此処で寝技の体勢に入る。
「へっ、システマは寝技が真髄ナンだぜ!」
「悪いがマーシャルアーツも寝技に関してはそれなりの技術を持っている…。」
「此処で寝技合戦!勝つのは果たしてどちらか!?」
壮絶な寝技対決を繰り広げる両者。
アームロックや三角絞、チョーク等の関節、締め技を繰り出す。
そして…。
「はぁ…はぁ…ぐっ…。」
クローホールドを極める制覇。
両者の既に体力は限界だ。
「堕ちろ…とっとと堕ちろ…。」
「悪いが堕ちるわけには行かん…はぁっ!」
体力の限界により、弱った握力でのクローホールドを脱出したロア。
そしてロアは、最後の極め技に打って出る。
「喰らえ!ギロチンチョーーーク!」
「ぐあぁぁ!!!」
ロアの最後の力を振り絞り、関節技を放つ。
その力になすすべもなく意識を失う制覇。
「決まったぁぁぁ!!!勝者、ロア選手!決まり手はギロチンチョーク!」
「よしっ…先ずは一勝…。」
舞台から去るロア。
既にふらついており、今にも倒れそうだ。
「お疲れだ。ゆっくり休め。」
「すまない…。」
レオンが駆けつけ、ロアを横にさせる。
そして…。
「続いての試合は孫・李文選手VS紫庵選手!」
「マジかよ!?」
「イキナリ仲間同士来ましたか…。」
「『やってきます。』」
棒を持って紫庵は舞台に出る。
一方。
「ロン様、必ずや勝利を…。」
「…気をつけろよ…。」
「はいっ…。」
そしてリイフェンも舞台に上がる。
昨日の友は今日の敵。
はたしてどちらが勝つのか・・・。
〜第25話 完〜