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Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照300突破! ( No.84 )
日時: 2012/02/19 14:41
名前: 青銅 (ID: glXVlHlM)

〜第28話 大暴れの健吾と返し技合戦〜

「今回の勝負は此方!」
「ねぇねぇ、もういい加減そのパターンやめない?読者が飽きるよ。」
「これ以外方法無いんですよ!だからこれやるんですよ!」
「ふ〜ん。」
「そんな訳でカードは此方!典型的なヤンキーだがトップクラスの技術を誇るレスラー!黒熊の健吾こと荒垣 健吾選手!対するはスペイン代表、素顔不明のマスクマン!ルチャ・リブレ(スペイン及びメキシコのプロレス)の達人!デッドトルネード ジョン・カダル選手!」
「よしっ、行くか。」
「誰かと思えばこんなチンピラが相手か…。」

上がってきたマスクの男は健吾に向けてそう吐き捨てた。
しかし、怒りの表情どころか無表情を貫いている。

「それでは始めます!レディーファイト!」

開始の合図を受け、ジョンは観客に向かって叫ぶ。

「やぁやぁ皆、これから俺がこのチンピラを華麗に倒してみせよう。見ていてくれ!」

そういうとジョンは健吾に向かう。
健吾はスピアータックルを狙っているのだろう、身を屈めて体当たりをする。

「甘い甘い!ハッ!」

ムーンサルトで回避するジョン。
しかし、健吾はその足を捕らえていたのだ。

「な、何っ!?」
「俺より甘いぜ!!!」

そのまま健吾はジョンを上空に飛ばして自らも跳躍。
パイルドライバーを放った。

「ガッ…か、華麗に俺が負かされるなんて…。」

そのままジョンはダウン。
起き上がらない。

「しょ、勝負アリぃ!!!勝者 健吾選手!決まり手 パイルドライバー!何と健吾選手!本大会最速記録をたたき出しましたぁ!」
「ざっとこんなもんよ。」

早足で客席に戻る健吾。

「旦那、倒してきたぜ。」
「……。」

依然、レオン達は驚きの表情を見せる。
何せチーム最弱と思われた男が最速をたたき出したのだから当然である。

「ささっ、次の戦いの観戦でもしようや。」
「お、おう…。」

そして次の試合の観戦をするレオン。
次の勝負は…。

「続いては此方!早川クララ選手VS戦慄累加選手!」
「ってアタシじゃん!」
「いってらっしゃいませ。その間代役として制覇さんをお呼びしているので。」
「ちっ、さっさと行ってきやがれ。」
「ハイハイ。」

ちなみにレオン側では。

「わ、私ですか!?」
「がんばれよ〜俺達の中じゃ一番最後なんだからよ〜。」
「がんばってください!」
「は、はい!」

そして両者舞台に上がった。

「今回のカードは此方!風にそよぐ桜のごとく全ての攻撃を受け流す!月下に咲く八重桜 早川クララ選手!対するはあらゆる攻撃を倍増して跳ね返す激流と清流の融合体!返し身累加こと戦慄累加選手!」
「へぇ…この子が相手なんだ…。」
「…よろしくお願いします。」

おどけた様な目でクララを見る累加に対してあくまで礼儀正しく振舞うクララ。

「それでは行きましょう!レディーファイト!!!」

出始めに累加がクララに向かって行き、ハイキックを放った。
しかし、クララは得意の太極拳の技法で鮮やかに受け流す。
反撃に打って出るクララだが突きを放てば累加のカウンターが放たれる。
まさに攻防一体の打ち合いである。

「序盤から激しい攻防を繰り広げる両選手!どう思いますか制覇さん!」
「……。」
「どう思いますか制覇さん!」
「あぁ?んなもん知るか!!!」
「(えぇ〜……)」

実況席でゴタゴタしている間にも打ち合いは尚も激しくなっている。
どちらも一歩も譲らず返し技の応酬を仕掛ける。






































それから既に1時間の時がすぎただろう。
一方にダメージを与える事が出来ず、只只体力のみが尽きて行く。

「ぜぇ…ぜぇ…やるね…あんた…。」
「はぁ…はぁ…そちらもとても凄いです。」
「だけど…これで決める…はぁっ!」

累加はクララの肩目掛けて踵落しを掛ける。
勿論、その技術で防ぐクララ。
しかし、その攻撃はおとりであり、唯一無防備の背中に目掛けて攻撃を繰り出す。

「これで終わりだぁ!!!」
「……っ!」

誰もが累加の勝利を確信した刹那。
しかし、クララは諦めなかった。

「四方投げ!」
「わっ!?」

動揺によって攻撃を返せず、あえなく地面に叩きつけられる累加。
過度の疲労によってそのダメージは立ち上がれなくなるくらいまで増加していたのだ。

「勝負アリぃ!勝者 クララ選手!決まり手 四方投げ!」
「や…やるじゃん…アタシが負けるなんてね。」
「いい戦いでした…ありがとうございます。」

クララは累加の強さを称え、そして舞台から去っていった。

「お疲れ様です。」
「…何時の間に合気道覚えてたんだな…。」
「いえ、これくらいは身に着けないと…。」
「それより俺達の一回戦の戦いはこれで終了だな…。」
「そうだ。後は2回戦まで休憩だぜ。」

そしてつかの間の休息を行うレオン達。
ロンなどは次の選手に当たりそうなものの研究をし、健吾たちはトレーニングに励む。
そして……。

「さぁさぁ、1回戦はこれにて終了!2回戦は明日開催します!それまで暫しご休憩を!」
「何だ、明日なのか。」
「まぁ、時間が時間ですからね。」
「んじゃ、休憩とするか。」

そしてレオンは宿泊所に向かいベッドに横たわり、そのまま眠ってしまう。
他の者もそれぞれの事をしながら、明日まで英気を養っていた。
今日よりも激しくなろう、明日の第2回戦に向けて…。

〜第28話 完〜