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Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照300突破! ( No.93 )
日時: 2012/02/18 22:07
名前: 青銅 (ID: glXVlHlM)

〜第29話 野生に打ち勝て!〜

「さぁさぁおはようございます!第2回戦開始です!」
「さ〜て、今回もいっちょやってやるか。」
「ほな、そっちも順調らしいな。」
「テメェは…たしかノンアル」
「大蛇の仁三郎や!!!ったく、昨日会ったばかりやで!」
「あぁ、酔拳の。」

レオンの前に現れたのは昨日であった仁三郎。
彼もまた一回戦を突破していた。

「お前昨日誰と戦ったっけ?」
「覚えてへんな〜。だけどグラマーでテコンドーつかっとったで。」
「(あぁ…夜須葉か…。)」

幻獣門の一人を倒していた仁三郎。
レオンは若干冷や汗をかいていた。

「しかし、法先丈とやらも凄いでぇ。何せ健吾の次に速い記録作りおったんやから。」
「法先丈…アイツはこの大会の…まぁあくまで一人除いて最大の障害だな…。」
「その一人が気になるけど基本的にそうやな…兎に角今は2回戦突破を考えへんと…。」

そういって仁三郎は甘酒を飲みながら去っていった。
そして…。

「では第2回戦一試合!嶋 崇史選手VSゴーロン選手!」
「またボクが先手っすか?」
「速く終わる分良いだろ?行って来い!」

そう言ってタカを励ますレオン。
タカは励ましを受けて舞台へと向かった。
そして…。

「さぁさぁ第2回戦1試合!選手入場です!」

小五郎がそういうと先ずタカが先に舞台に上がった。

「先ずは此方!小さな体に宿る凄まじい怪力!投げの白犀 嶋 崇史選手!」
「此処まで持ち前の怪力を生かした相撲で勝利してるわね。その怪力と忍耐力は最早タカ選手の代名詞だわ。」

タカのことを詳しい感じに話す累加。
既にタカは臨戦態勢に入っている。

「さぁさぁお次の選手です…何と、3000ポンドのハードパンチャーの登場です…。」
「さ、3000ポンド!?」
「それが此方ぁ!!!」

小五郎が叫ぶと選手が出てくる…。
その選手とは………何と、ゴリラだったのだ。

「………。」
「此方が3000ポンドと言うタカ選手に負けず劣らずの怪力の保持者!」
「いや、ゴリラっすよね!?」
「その年齢は何と、まだ4歳!」
「いや、ゴリラっすよね!?」
「…バレましたか?」
「逆にバレない自信あったんすか!?」
「えぇ…では本当に紹介して行きましょう…此方、ジャングル代表IQ2500を持った天才マウンテンゴリラ!野生のパワーを豪快に豪傑に振り回す野生の覇王!人呼んでキングコング ゴーロン選手です!」
「ウホォォォォォォ!!!!!」

小五郎の紹介が終わるとゴーロンはドラミングで威嚇をする。

「IQ2500とはいえ獣がまともに戦えるんすか?」
「ウホッ!ウホホッ!ウホッ!」
「何々、『自分だって戦えるぞ。だって生き物だもの。』…ならいいや。」
「てかタカよ。お前動物の言葉がわかるのか…。」
「さぁ気を取り直して行きましょう!レディーファイト!」

合図と同時にタカはぶちかましを放った。

「ウホッ!!!」
「ゴーロン選手!嶋 選手の体当たりを止めたぁ!」
「なかなかやりますね…!」

そのまま組み合う両者。
その最中、ゴーロンは組み合っているタカの腕を掴んだ。

「ぐあぁぁっ!!!」

するとタカは苦痛の表情を浮かべて悲鳴を上げる。
それを見てゴーロンはさらに握る力を強める。
しかし、タカはゴーロンに居返りを放ち、脱出をした。

「くっ…。」
「嶋選手、苦しんでます!」
「それもそのはずね、ゴリラの握力は約500kgだもの。握られたらたまった物じゃないわ。」
「これはマズイっすよ…!」

一旦距離を離すタカ。
そして再び突進して行く。
先ほどのようにもう一度止めるゴーロンだがタカの狙いはその時だった。

「相撲48手奥義 徳利投げ!」

またも組み合いと見せかけてゴーロンの顔を手で挟んで捻り倒す。
予想外の攻撃になす術も無く投げられるゴーロン。

「ウホォォッ!」
「げっ、怒った。」
「何と嶋選手!ゴーロン選手を怒らせてしまったぁ!」

怒ったゴーロンはタカに向かって突っ込んでくる。
タカも体当たりで応戦するがゴーロンのパワーと握力に苦しめられる。

「グッ…!」
「嶋選手!大ピンチです!さぁ、どうする!」
「(このままではこっちが負けます…アレをやるしかないですね…アレを…。)」

そういうとゴーロンを再び投げ飛ばして体制を整える。
ゴーロンは見事なまでの受身で投げの威力を相殺し、再び突進する。

「…ハァッ!!!」

タカは叫ぶと突進してくるゴーロンに普通のタカにはありえない手の甲での殴りを放ったのだ。

「おーっと!嶋選手!相撲には無い技だぁ!」
「あれは!」

それを見たレオンはその光景に注目した。

「『先生!あの技知ってるんですか!?』」
「まぁな!間違いねぇ!アレは中国拳法通背拳だ!」
「何と!嶋選手!相撲ではなく通背拳だぁ!」
「アイツ、何時の間に中国拳法を覚えるとはな!」
「しかもあの腕…相当な手馴れと見た…!」

そう、タカが使っていたのは通背拳だったのだ。
それを見て一発で気付くレオンとロン。
そしてゴーロンは怯んだ後、再び襲ってくる。

「五行掌 撞合!」

鎖骨を思いっきり伸ばし、先ほどのように手の甲でゴーロンの顔面に向けて攻撃する。
怯んだゴーロンに向かってさらに攻撃をして行く。

「嶋選手!その特徴である怪力を全く見せず、スピーディな攻撃で翻弄していきます!」
「本当にスゲェぜ!タカ!」
「『…ちなみにその『つーはいけん』ってどんな拳なんですか?』」
「通背拳っつうのは猿を模した拳法でな。密着状態で力を発揮する八極拳とは真逆で離れた状態で力を発揮するんだ。兎に角鎖骨を伸ばすのが重要で真髄は伸肩法と五行掌の2つだな。」
「『へぇ〜。』」
「おーっと!此処でゴーロン選手!今度はパンチを放つー!!!」

その太い腕で力任せにパンチを放つゴーロン。
しかし、タカは動じず前進した。

「摩手!」
「嶋選手!それをガードする!」
「ウホッ!?」
「止めです!五行掌 寿拳!」

タカは手を透骨拳の形にして腰を屈め、ゴーロンの鳩尾目掛けて突きを放つ。
弱点である鳩尾に強烈な一撃を喰らったゴーロンはたまらず倒れ、気絶。

「勝負ありぃ!勝者、嶋選手!決まり手は寿拳!」
「よしっ。」

そのまま舞台を後にするタカ。
そして………。

「うぃ〜っす。戻ってきました〜。」
「タカ、テメェ何時の間に中国拳法を覚えやがったんだ?」
「秘密事項です。」
「教えろぉ!!!」

タカの肩を揺すって揺すって揺すりまくるレオン。

「ヒィ〜!だって、こういうのは教える物じゃ無いんですって〜!」
「教えろ〜!」
「『まぁまぁ、次の試合の観戦を…。』」
「おっと、そうだ。」
「(紫庵君ナイス!)」

そして次の試合の観戦を決めるレオン。
さぁ、次は誰が戦うのか。

〜第29話 完〜