ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照400突破! ( No.96 )
- 日時: 2011/07/10 16:33
- 名前: 青銅 (ID: 74hicH8q)
〜第30話 恐怖のピエロ戦法〜
「続いての勝負は村雨 崙選手VSジミー・オル選手です。」
「次はロンの勝負か…まぁ、結果は見えてるけどな。」
「まぁ、見てみましょうよ。」
と言っている間にも舞台に上がっていたロン。
もう一人の選手の方はまだあがってきてはいないようだ。
「今回の勝負は此方!クールに戦う八極拳士!漆黒の狼 村雨崙選手!」
「……。」
「対するは此方!」
そういうと舞台の奥からなにやらカラフルな服に白や赤の目立つ化粧。
例えるのなら『ピエロ』が玉に乗って舞台に上がってきたのだ。
「何だ…?此処でサーカスでもする気か…?」
「此方!場違いのお方かと思ったでしょう?所がドッコイ!此方はれっきとした選手です!玉にのった悪魔!デスクラウン ジミー・オル選手でございます!」
「ミナサ〜ン!今から此処デ!ショーを始めマース!!!」
「……?」
「ソレは!“恐怖の切り刻み殺人ショー”デスヨ!!!」
ジミーはイキナリ懐からフォークと剣を取り出した。
それを見るとロンも構えを取る。
「それでは始めます!レディーファイト!!!」
「喰らってくだサ〜イ!」
合図と同時にフォークを投げる。
ロンは無難にかわすがジミーは玉に乗っているとは思えない速さで接近をした。
「コレで速攻終結デ〜ス!!!」
「甘い!」
ロンは剣を振るおうとしたジミーの懐に入り込み、得意の寸頸を決めた。
たちまちジミーは玉から落ちてしまう。
「イテテ…よくもやりましたね…次で殺ってやりマスヨ…!」
「……。」
そういうと再び剣を持って襲い掛かる。
先ほどの戦いで剣相手には馴れているロンは焦る様子無く普通に押してゆく。
しかし、ジミーは手を後ろに回すとなにやら火の付いた松明を取り出した。
「……?」
「“恐怖の火炎ショー”の始まりデース!」
そういうとその松明に向かって息を吹く。
すると炎がロンに向けて襲い掛かったのだ。
「なっ!?」
「隙アリデスヨ!!!」
そして炎を掻い潜り、ロンに向けて剣を刺した。
幸いにもとっさの判断で避けたため、直撃こそ免れたが頬に掠ってしまった。
「残念ダネ。もう少しで天国に行けたノニ。それにしてもその整ったお顔がダメになったネ。フッフッフッ。」
ロンの頬に付いた傷を見てあざ笑うジミー。
「…だな…。」
「ハッ?何か言いマシタカ?」
「俺を…怒らせたみたいだな…。」
表情こそ変わっていないがロンは気迫により、怒りをあらわにしている。
ジミーはその気迫に驚いている様子だった。
「お、怒らせたらどうするんデスカ?怒っても私には通用しませんヨ!」
「どうかな…!」
ロンは一瞬にしてジミーに近づくと頂肘を放った。
「グッ!」
「此処でロン選手!怒りのラッシュです!」
「まだまだ序の口だぞ!」
そのまま寸頸の掌底を放ち、立て続けに肘、肩、頭部、そして背部での打撃を連発。
そしてアッパーカット掌底でジミーを浮かばせる。
「止めだ…ハァッ!!!」
落ちてきたジミーの鳩尾目掛けて渾身の両手掌底を決めた。
たちまちジミーはダラリとして動かなくなった。
「………。」
「…実況、勝負は付いたぞ…。」
「…はっ!これは失敬。勝負アリぃ!勝者 ロン選手!」
勝利判定が決まるとロンはジミーを投げ捨て、客席へと去っていった。
「ロンの怒る所なんて始めてみたな。」
「ですね。」
「怖かったけど…怒ってるロン様も素敵ですわ〜!」
「引っ付くな。」
いつもどおり引っ付くリイフェンを華麗にスルーするロン。
勿論、レオンは例の暗示をかけようとしたがタカに止められる。
「しっかし、次は誰が落ちるんだろうな…。」
「不吉な事を言わないでください。」
「だがレオンの言うとおりだ…誰かが落ちなければ決勝に残らん…。」
「うぅ…確かに…。」
レオンの意見は最もである。
落ちなければ決勝にならない。
次は誰が落ちるのか…。
〜第30話 完〜