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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 終焉の歌姫が謡う時 オリキャラ募集中! ( No.72 )
- 日時: 2011/06/24 00:44
- 名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: Uo8bNy4h)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17041
轟く爆音。
全てが無に返ったのかと錯覚するような時間の中に、
「ゲホゲホ…ゲホン……! いやあ、今のはヤバかったなぁ」
常に笑う男はいた。
横たわる数人の影。
全てが紅い光が世界を覆う直前の状態だった、否、先刻までには無かった舞い散る白い、黒い翼。
「まさか君がそこまで出来るとは思ってなかったからね、侮ったよ」
「なら此処がアンタの墓場だな」
対峙する2人の背中から突き出たそれは、空間を埋めていく。
「君のその白いものが、僕らの勝敗を明確に示しているけど?」
黒に飲み込まれる白、まるで俺と君のようだよね。そう言って、ルジェは軽く翼をはためかせる。黒い翼が舞った。
「最初から分かってるくせに魔力を使うのは賢明とは言い難いよね、アルテミス」
何時の間にかルジェからも放たれいる殺気がアルテミスの身体を打つ。
この『気』の差で負ける。
意識を取り戻したアレンがアルテミスに語りかけた。
覚醒とか、こんな魔法とか…翼とか、良く分からないけど…
——必ず、負ける。
アレンは宣言した。
アルテミスは聞いた。何故?
さっきまで全然殺気を放ってなかったのに君の攻撃を全部防ぎきった。
それに今も全く笑顔を絶やしてない。
お願い…引いて!
引く、その意味をアルテミスは考えた。
死体のように転がる数人の影、否、仲間。
自分の身体の持ち主の仲間。
自分の安否ではなく、仲間の為。
そうだよ。
君なら絶対ここから切り抜けられるでしょ?
ああ、絶対に。
…——絶対に、助けられる。
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