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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Closed Fate ( No.3 )
- 日時: 2011/05/02 20:35
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
Vol:1
今とは遠くかけ離れた近未来では、異型の怪物が辺りをうろついていた。
とは言ったものの、人間が暮らす街でうろついている訳では無い。
街から少し離れた、小さな森にたむろしている。
人間はそれを恐れ、様々な人に退治を要請したが、帰ってくる人は当然居なかったのだ。
しかし、その状況を見て、怪物達を野放しにするはずも無く、人々は手当たり次第に腕の良い賞金稼ぎや、ハンター、特殊部隊に金を惜しまず退治を要請した。
しかし、誰もが怪物達を恐れ、大金を晒されても、わざわざ死に急ぐ事などしない。
「…ふう。 今は何時だ? 恐らく寝坊はしてないと思うがな…」
S.U.I.U部隊第一部屋の寝床で、眠そうに目を開けたのはキース軍曹だった。
S.U.I.U第一部隊…通称アルファ部隊と称されるエリートの集まりで、リーダー的配役を任された男。
しかし彼からして見れば、怪物達を毎日毎日排除し、平和を裏で保ち続ける人間などもっぱらゴメンだ。
「怪物が街に侵入。 早急に排除せよ。 また、アルファ部隊は排除した後にアーシュ山脈入り口にへと集合せよ 繰り返す。 怪物が街に侵入……」
各部屋に設けられた音声機械が明瞭なアナウンスを流す。
「クソッ! 安い給料で働くのは勘弁だぜ! でも他に職業が無いんじゃこの職業しか選ばざるをえないんだ……現実は厳しいぜ。 さっさと行く事にするか。」
まだ寝てたいという気持ちが全面に溢れている。
これほど仕事をしたくないという感じの男を見た事は無いだろう。
しかし、隠れた英雄という点では正解だった。
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