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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白い薔薇は悪魔色 ( No.12 )
- 日時: 2011/05/05 11:42
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
■♯2
遅刻ギリギリで校門を走り抜けた二人は、教室で教師にガミガミ言われることになる。
「桜川さんに東大寺さん!!どうしてそんなに遅いのですかっ!!次に遅刻したら許さないといったでしょう!!」
そんなにガミガミ言ってもしょうがないじゃないか……。
いつもより少し早めに始まったホームルームの最中に教室に飛び込んだのが悪かった。
せめて飛び込まなければ……。いや、そういう問題じゃないか……。
「罰としてレポート用紙十枚で歴史のレポートを書いてきなさい!!」
「はい……」
うんざりした顔で私を見る紅華に、私は目で謝った。
先生……レポート十枚はきついっすよ……。
休み時間まで上の空で授業を受けていた私に、祝福の鐘がなった。
「はい、今日は此処まで」
「きりーつ、れー」
「ありがとーございましたー」
休み時間を目の前にした生徒のぐだぐだした挨拶で授業が終わる。
机にぺたんとなった私に、声をかけてくれる人が一人。
「清歌ちゃん、大丈夫?」
「風夢ぇ……レポート手伝ってぇ……」
机に突っ伏したまましゃべる私に、まさに天使の笑みをこぼしてくれる風夢。
その一言で、紅華もこちらに寄ってきたことは言うまでも無いだろう。
「よかったらやりますよ?紅華ちゃんのも。やらせてください!」
「「え、いいの?」」
私達のハモリに、風夢がくすくすと笑った。
「ハッピーアイスクリームですよ、お二人方」
「「古……」」
ハモリように感動。
結局私達は風夢にレポートを任せることにした。
紅華とはなんだか気まずいので、一応謝罪の手紙を……。
自分で渡すのはアレだから、風夢に頼む。
天使の笑みで了承してくれる風夢は、皆から頼られているとてもいい親友だ。
もちろん、紅華も。
頼りすぎ?
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