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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白い薔薇は悪魔色 ( No.23 )
- 日時: 2011/05/07 16:54
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
■♯7
「ねぇ、アンタまた人殺したよね?今度は風夢。アハハ、そんなにばらしてほしいの?奏也クンに」
今日の朝は、水季ら三人にかこまれて始まった。
これやばいかんじじゃないっすか。
ボコられるんじゃないっすか。
風夢が死んだってのも初耳だ。
そして、やっぱり私が殺したことになる。
もう嫌だよ、この人。
奏也君が好きなら勝手に取ってけっつーの。
下らない思考回路をふさぐのは、一人の女子の強い蹴りだった。
椅子を蹴られた私は、バランスを崩して床に落下。
「人殺し」
水季の一言に二人が乗る。
「人殺し!!人殺し!!」
6本の足が飛んでくる。
痛い。
「おい、何やってんだ!!やめろ!!!」
そこに、救世主。
その救世主は水季たちを追い払って、私に手を差し伸べてくれた。
いい迷惑だ。また蹴られるではないか。
「桜川、大丈夫か?怪我は?」
「ううん、大丈夫」
足跡の沢山ついた制服を払い、奏也君の手を無視して立ち上がった。
遠くから鋭い視線が突き刺さる。
「何かあったら僕に言ってね」
「…………」
視線に負けて、頷けなかった。
私は奏也君の耳のそばで、小さくささやいた。
いや、私じゃない。
「休み時間、屋上で待ってる」
「……うん」
水季に殺される前に……。
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