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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白い薔薇は悪魔色 ( No.24 )
- 日時: 2011/05/07 18:11
- 名前: 華世 (ID: tMPenRNj)
■♯8
3度目の悪夢。
起きてみると、やはり朝だった。
どうやって帰ったのか、どの道を通ったかなど私はもう覚えていない。
悪夢を見る回数が増えれば増えるほど、私の体は弱っていく。
ふと、両手を見た。
手のひらが真っ赤な血で染まっていた。
私は一体、何をしたの?
体の震えがとまらなかった。
学校に着き、クラスに入る。途端に教室中が静まった。
視線が一斉に私の方に向く。
「ねぇ、アンタ昨日さ、紅華ん家行ったでしょ?」
水季のこの言葉が、1日の始まりとなった。
「確かに行ったけど……何で知っているの?」
行った事は事実。英語のノートを返しに。
しかし、どうして水季が知っているのだろう。
「風夢に聞いたんだけど〜紅華、殺されたんだってぇ。風夢が紅華を刺してるアンタを見たってね?」
沈黙。
呆然とする私、睨む水季。
私はある事に気がついていた。
水季の言葉、悪夢の中とほぼ一致している。
これは、正夢……?
「違う、私はやってない……絶対に私じゃない……!!」
「だって、ほら。紅華来てないし?」
否定する私を遮るように、水季が言う。
その時、私は思った。
じゃあ、朝の真っ赤な血は何?
どうして帰り道を覚えていない?
こう思うということは、水季の言うことは正しいんじゃないの?
そして、気づいた。
あの女が私を呪っている、ということを。
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