PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 桜と友情〜壊れるまでのカウントダウン〜 ( No.22 )
- 日時: 2011/05/29 11:45
- 名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
第9話
わたしは、いつもの時間に教室へついた。
騒がしく、男子が走り、女子は固まって話す。
いつもの光景。
でも、1つだけ違うことがあった。
それは、愛がわたしに気がついていないのだ。
昨日転校してきた三宅零と話していたのだ。
確かに愛は、みんなとよく話をする。
でも、今まで一度もわたしが入ってきたことに気がつかないなんてこと、なかったのに……
何かもやもやした。
数分ほどたって、愛がわたしに気がつきそばへ寄ってきた。
愛は、笑顔でわたしに言った。
「花梨も零ちゃんと話さない?」
わたしは、うんと答えようとしたとき、麗がすごい目でわたしをにらんだ。
その目には、憎しみと恨みしか感じなかった。
わたしはその目を見たときに、背筋が寒くなった。
「花梨?」
愛が心配そうに覗き込む。
その表情すら、わたしは怖くなり、愛を突き飛ばした。
ドカ……
愛の体が机にぶつかり、倒れた。
愛は、半泣きの状態でわたしを見つめ言った。
「花梨なんか……大嫌い!」
愛はそういいながらわたしのそばから離れていった。
みんなが冷たい表情でわたしを見る。
———あーあ。やっちゃった
わたしの耳に、またあの声が響いてきた。
第9話オワリ
PR