ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.2 )
- 日時: 2011/05/08 22:02
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
古式騎士が現代に掘り起こされ三日が過ぎた。 特に、テレビでもその話に触れていない所を見ると、どうやら政府はその存在を隠しているらしい。
そして、家にいる古式騎士も、掘り起こされ二日目。 政府はどうやらこいつの存在を把握していないらしく、特にその対策を練る様なことをしなくてもよさそうだ。
その古式騎士は、完璧に人の体を成し、外見は人間そのもの。 そしてデザインは、十代半ばの少女と言った所だ。 騎士という雰囲気や貫禄などと言ったものは皆無だが、古式騎士と言う名は彼女を見て考えられた名ではない。
長い銀髪に、紅の瞳を持った、人形のような彼女は、相変わらず『言葉』を発する気配が無い。
時々、
「ロア」
「ファ」
などの音を発するがやはり、単語を喋ったためしがなく、出来ることなら早く会話をしてみたい。 時々、それを幾つも繋げた言語らしき音も発するがやはり、こちらしてみれば理解不能で、音以外の何者でもない。
ただ、それが言葉であれば、こちらから言葉を教えることでコミュニケーションが取れるかもしれない可能性と、コイツが言葉を学ぼうとしている探究心や好奇心だけは十分ある。
何故分かるかって? それは、コイツ発掘された時に遡る。
古式騎士という奴は、どうやら眠っているような状態で遺跡に埋まっていたらしい。 最初に見たときは、ただの装飾の施された二十センチ四方の黒い金属の箱だった。
俺は政府の遺跡調査グループの人間の一人で、超古代遺跡とか、超文明遺跡とか呼ばれていた遺跡。 北極の氷の下に眠っていた古代都市『ジンベル』とやらの調査で、偶然雪に埋もれていたそれを見つけ、偶然飲み水を数滴こぼし、偶然その雫がその箱に当たり、偶然その箱が人のような形を成した。 と言うことまでしか分からなかった。
それを見たリーダーが、何も言わずにそれを持ち帰り、研究して政府の役に立てるだの何だの言っていたが、それは信用できないと言うのが俺の本音。
そして、その日のうちに、残っていたメンバーだけでその『箱』の捜索を開始。 そして、多数の箱を発見した。 その箱の装飾も、大きさも様々だったが、黒い金属製と言う共通点はどれも例外なく同じだった。 その中で俺は一個だけ、他の箱とは違う性質を持ったそれを見つけた。
白い金属で出来た、黒と赤の金属での装飾が施された白い、手のひらサイズの小さな箱。 それだけ、俺はポケットに入れた。 何故って言われても、良く分からない。
理由も無く、何となく。
その白い箱こそが今、俺の家に居る古式騎士。
どうやらその古式騎士にも種類があるらしく、回収されていった古式騎士の大多数は、人の形ではあるが、人間の姿ではない。 黒い半液状の金属が鎧のように箱の表面を覆っていた装飾を人型になるよう纏ったものばかり。
捜索して、見つかった古式騎士は200体程度だが、その約六割が、同じ姿だった。
恐らく、量産型の兵隊だったのだろう。 それを裏付けるかのように、力は非常に強い。 中には、手の平から何か空気らしきものを放出して、物を吹き飛ばしたり、何らかのエネルギーを使って炎を放った物もあった。 ただ、確実に相手を切り裂く能力は全てが有していた。
古式騎士の名称はそこから取られている。
今の所実験段階だが、筋骨隆々の大男が束になってようやくその動きを止められる程度。 測定結果は今の所計れて居ないのでもう少し経ってから出るだろう。 研究者達によると、一体が10トン程度の腕力を持っているのではないかと言う。 確かに、凄まじい脅威だ。
そして他にも、コイツと同じように人の体を成した人間に近い姿のものも有ったが、コイツのように完全に人間の姿をした奴は一体も無かった。 何処かにやはり、装飾の跡があったり、人の姿をしているが皮膚が鋼のように硬かったりと、様々な特徴を有していた。
どうやら、コイツは特別らしい。
そして、政府はその古代の人形達。 古式騎士に、製造ナンバーを付けた。
表面の装飾の風化の具合で年代が測定できて、古い順に並べていった結果。 6割を占めたあの古式騎士が、一番古く、一番新しかった。
年代はどれも文明が栄えた時代で、その中ではまばらだったが、長い間利用されたと言うことなのだろう。 それを100式として、1式まで。 その全ての特徴が違う。
中には、言葉を理解し、話した奴も有るらしいが、俺はそいつを見ては居ない。 見てみたいが、別グループが研究の指揮を任されているから無理だろうな。
そしてほかに興味深い所と言えば、物を食う古式騎士も居た。 エネルギーの補給を必要とし、水を与えただけでは動けないものらしい。
この特徴も、今俺の横で物を食っているコイツに当てはまる。 一体、コイツは何だ?
「飯、美味いか?」
問いかけてみるが、こちらを向いて
「ん」
とだけ返し、また食い物を口に運んだ。
そういえば、コイツはコイツで面白い特徴がある。 その特徴とは、苦手な食べ物があるということだ。
今も、皿の端ピーマンを残している。 子供っぽいが、その味覚は少し大人に近い所もある。
砂糖なしのコーヒーは飲むし、酒だって飲ませれば飲む。 ただ、ビールだけ嫌った。 辛いからか?
チョコレートを与えてみれば、ミルクチョコレートには目もくれず、ビターチョコレートを選んだ。 一番最初はミルクチョコレートも食べたが、顔をしかめ、別のチョコレートに手を伸ばし、別の包みのチョコレートを食べてみるの繰り返し。 最終的に、チョコレートの入っていたカゴからはビターチョコが全部消えた。
味の好みもあり、その行動も人間そのもの。 家の中を歩き回り、階段を踏み外し転びかけ、夜には眠りに着き、朝には目を覚ます。
実に機械とは思えないほどその行動は人間臭い。
そんなこんなで数週間。 結局、政府はコイツの存在を知らぬまま、研究を続けていた。
その日の朝のことだった。
「オハヨウ」
そんな言葉が、眠っている俺の耳に入る。 最初は幻聴かと思った。 だが、目の前には古式騎士。 こいつがこうも早く言葉を話すとは思ってなど居なかった。 だが、
「オキナイノ?」
目の前で、確かに喋った。 しかも、
「ゴハンツクッテヨ、オナカスイタ」
片言ではあるが、喋る喋る。 理解して使っているかどうかは分からないが、何て学習能力だろう!
「お前、喋れるのか?」
「オボエタンダヨ」
たった一週間ちょっとでここまで話すか? 人間では無理な話だ。
母国語が話せるようになるのは、周囲にその言葉で話す大勢の人間が居るからであって、こいつの話し相手は俺一人。 別の国の言葉を習ったとしても、人間ならば少なくとも半年は掛かるようなことだぞ?
それを、たったこれだけの期間で? 嘘だろ……。
「名前は? 俺の言っている意味、分かるか?」
その問いに、そいつは数秒かけて答えを導き出し、
「オレ、ロア・ファファニール」
確かに質問を理解し、その答えを返した。 更に、
「オマエノ名前は?」
質問を返してきた? まさか、そこまでの知能が?
しかも、俺が発音した所だけ片言じゃなくなってる。
……そういえば、名前言ってなかったな。
「俺はメリエル。 お前は見た目から、俺じゃなくて私って言った方がいいと思うぞ。 まあ、改めて、よろしくな。 ロア」
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.3 )
- 日時: 2011/05/08 21:57
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
ロアが口を利き、二日がたった。 相変わらす、古式騎士の話がテレビで流れる気配は無い。
やはり、政府はその存在を隠していると言う考えが、確信へと変わる。
「チョコレート無くなった!」
ロアが叫ぶ。 この二日、口を利けるようになってからは外にも連れ出して見れば、ロアは次々と物事を覚えて行った。 それと同時に、ロアの出生や、能力なども次々と明らかになっていく。
まず、ロアは手の平から炎を吹き出し、触れた物を凍らせ、電撃を発すると言う王道とでも言うべき三つの攻撃的な能力を有している。 そして、力も見た目からは想像ができないほど強い。
100kgまで図れる握力測定機で握力測定をやってみたが、その針が振り切れたのは驚いた。 ただ、その時だけ古式騎士特有の黒い金属らしきものが手に集中するということも同時に分かった。
「ねえ、チョコレート!」
で、喋れるようになってからコイツは相当面倒くさい奴だと言うことも、良く分かった。
「ほら、チョコレートだ。 これだけだぞ」
ロアの持っているカゴに、適当な袋から取り出した1センチ四方の四角いチョコレートを流し込む。 大体、チョコレートのように高カロリーなものを食べた後、ロアの体は80℃近い熱を発することも、最近になってわかった。 それ以前は、突然部屋の気温が上がったように感じていたが、それでこの謎が解けた。
夏場にチョコレートを与えるのは止めておこう、暑がりの俺は絶対に熱死する。
「なあ、ロア。 お前は一体なんだ?」
「何って、う〜ん……ロイボルトだよ。 人口製作物であって運動を起こすことが出来て時間や労力を節約するために創られた人形。 私は永久機関だから、食べなくてもいいし、飲まなくても良い。 けれど、美味しいからチョコレートは食べるよ」
永久機関……か。 ロイボルト? ロイボルト説のあれか。
と言うことは、こいつが作られたのは18世紀から25世紀の間だな。 で、今は世紀に直すと多分50世紀だから、少なくともこいつが生まれたのは2500年前か。 場合によっては3700年前の製作物……。
よくもまあ、残っていたものだ。
「じゃあ、その時に居た国の名称は?」
「セフィロト」
「生まれは何世紀?」
「23世紀」
「その永久機関のエネルギー源は?」
「賢者の石から放出される魔力」
……。 魔力? 魔術のアレか。
架空のおとぎ話だろ? まさか、能力の間違いじゃないのか?
「魔力って能力の間違いじゃねえのか?」
「能力って?」
ロアは残っていたチョコレートに手を伸ばしながら、メリアルの手のひらで浮かび上がる鉛筆を凝視した。 それに気を取られすぎて、カゴとは別のところでその手は空を掻く。
「何だ、それは」
「能力者の能力。 まさか、知らないの?」
いや、知っているはずだ。 人間が能力を有したのは21世紀後半。
知らなければ、それ以前の製造。 それか、23世紀にはまだ能力が一般に普及していなかったかのどちらかだろう。
「知らない。 私の持つ知識には無い。 私の知識に無ければ、そのようなものは存在しなかった。 私がその時代のことで知らぬことなど一切無い。 知識の守護を担当していた私が知らなければ、それは間違っている予測だ」
知識の守護? また、わけの分からない単語が出てきたぞ?
知識の守護と言うことは、その脳みそにはそこまで膨大な「何か重要な知識」が詰め込まれているのだろうか? 何だか、好奇心をくすぐられる響きだ。
「じゃあ、魔力は一体何だ? 俺の時代は魔術は使わないし、魔術は存在しなかったと言うのが一般常識」
「魔術は存在する」
言葉の途中で、ロアが遮る。 魔術が存在する?
なら、見てみたいものだ。
「それに、メリエルからも魔力を感じる。 能力者の能力の源。恐らくそれがこの時代の魔力だよ。 私も一応は、魔術式によって成り立っている故に、心臓を剣で連れ抜かれれば壊れる。 そしてこれが……魔力の源だ」
ロアは自らの胸に指を突き立て、縦に押し開き、心臓を露にした。 紅の水晶の様な球体に何やら陣らしき彫刻が施されている。 これが……心臓?
「私の持つ永久機関にして完全なる物質。 賢者の石、それが私の心臓だ。 これを砕かれれば、私は死ぬ」
縦に裂けて開いた胸を、ロアは元通りに閉じると、再び何事も無かったかのようにチョコレートに手を伸ばした。
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.4 )
- 日時: 2011/05/08 21:54
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
「どうです、新型の出来栄えは」
白い装置が、謎の曲線を表示している中で、一人の男がその白い中にうずくまる様にして何かを組み立てている人影に問う。 その人影は、猫背を無理に伸ばしながら男の方を向いた。
その顔は、顔面蒼白と言うべきだろうか? 兎に角白い以外の表現方法は無い。
白衣のその姿は、白い研究室に同化する。
「中々のものですよぅ。 もう一日二日で、新型騎士は完成するかと。 まあ、試作機ですので無理はなさらぬように」
それだけ返すと、その人間は元の位置にうずくまり、作業を再開した。
そのうずくまった人間に気を取られ、部屋の白い色にどうかして目立たなかったが、その人間が組み立てているのは、人型の『何か』。
猫背の男が組み立てているのは、現代の機械騎士。 製造名、ノットプライス。
「古式騎士と聞いて、巨大なロボットを想像していたのだが……精精人並みか」
「ええ、人並み。 大きくても身長2メートルがいいところです」
二人の会話が、騎士といくつかの工具以外、何も無い部屋に木霊する。
「少し、時間を頂きたいのだが……よろしいか?」
部屋の扉を開き、別の人影が部屋と部屋の境界をまたぐ。 その人影に、最初からこの部屋に居た猫背の人間は、何やら嫌そうな表情を向ける。
どうやら、この二人の間には何かあるらしい。
「何事です、所長殿」
猫背の人間が、その仏頂面を向け、言い放つ。 言葉だけで見ると質問のようだが、その口調には明らかに嫌がっている念がこめられ、その言葉は「今すぐにこの部屋から出て行け」と言っているようにも聞こえる。
「まあ、そう邪険にするな。 それと、部長殿は止めろ。 俺はレベルⅤと言うだけでここの部長に抜擢されたよそ者だ。 嫌うのも分かるが、仕事の方はきちんとやれ。 俺はこいつに用が有って来ただけだ」
所長と呼ばれた人影は、そこで唯一人らしい姿の男を指差し、
「エディー、客だ」
それだけ言い残すと、所長はその場に霧が晴れるかのように消えた。
それを聞き、エディーと呼ばれた男は猫背の研究員の横に缶コーヒーを置くとその部屋を後にした。
男が研究員に背を向けるとほぼ同時、騎士の腕がかすかに動く。 研究室の扉が閉じるとほぼ同時、室内に居た猫背の男は頭蓋骨を失った頭部から脳をぶちまけ、この世を去った。
「私が……試作機ですって? 笑わせますね、魔式騎士に試作などありません。 魔力を核に与えれば既に、意識を持ち、動けるのですから」
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.5 )
- 日時: 2011/05/08 21:54
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
猫背の研究員がこの世を去り、五分後。 ようやく施設内のコンピューターが監視カメラで死体の存在を認知し、警報を鳴らす。
たった五分、されど五分。
人間であれば、その五分間でかなりたくさんの行動を起こすことが可能だ。 そして、その空白の五分間。 それがこの施設の余命だった。
「邪魔立てするのであれば、殺すまでですよ。 人間」
所々に点々と血しぶきを浴びた、赤い水玉模様の白衣を身にまとった男とも女ともつかない顔つきの人型兵器が、能力者に阻まれる。
紅の瞳で威圧するが、その能力者は怯む気配を一切見せない。 むしろ、それの所為で気をしっかりと持ったままなのかもしれない。
彼の体力は、底なしだ。 そして、騎士の体力にも、底が無い。
「ハンッ! この程度で勝ったつもりか、戦闘経験の浅い雑魚は……寝てやがれ!」
能力者。 もといエディーは古式騎士の足止めに全力を注ぐ。
だが、その足止めは、無駄だ。
「知りませんね、私の戦闘能力は明らかに貴方を凌駕しています。 貴方に勝ち目があるように見えませんが……?」
エディーの蹴りを受け止めながら、騎士は無表情のままその足を掴み、彼を床にたたきつける! だが、たたきつけられる寸前。 エディーは両腕で床を掴み、足を握った騎士を逆に……叩きつける!
「……なッ」
「これが経験値の差だ、餓鬼ィ」
エディーは、追い討ちをかけるかのごとく壁に立てかけてあった消火器を掴み、起き上がろうとする騎士を殴る。 起き上がろうとすれば、殴る。 攻撃を仕掛けてきても、殴る。
殴られる以外、行動を起こせばその選択肢は無い。
「……クソッ」
「お、ようやく“悔しく”なったか? 如何だ、俺が“憎い”だろう?」
感情を持たない機械に対し、エディーは感情を持っているかのように話しかける。 だが、
「いえ、私は感情など持ち合わせてはいません」
殴られてもなお、無表情のまま、騎士は起き上がろうと努力する。
しかし、エディーの容赦ない消火器による殴打が、騎士に繰り出され、騎士は床に伏しての繰り返し。 一向に終わりが見えないこの攻撃は、確実に、騎士を壊していた。
何十発、打撃を叩き込んだろう? ようやく、騎士の顔に、“憎悪”の表情が浮かぶ。
「そうだ、それだ。 俺が“憎い”だろ? それで良い、憎め、嫌え、理由も無く……人間を殺すな。 お前を殺そうとした奴は……俺以外にいたか?」
エディーの言葉が、騎士の怒りを増幅する。
一体、この感覚は何だ? 何故、この男が憎い? 何故、人間が憎い? 何故……、
「何故、これ程まで、貴方が殺したい?」
何だ、この感覚は。 何だ、これが感情? 邪魔だ、要らない。 要らない、要らないんだよ!
「私に感情など……必要ない!」
「いいや、必要だ。 お前は古式騎士だが、完全な人型。 人造人間といっても過言ではないだろう。 感情は、物事の判断に必要だ。 人間らしく、物事を捉えるために」
エディーの言葉は明らかに、騎士の感情を揺さぶっている。 騎士が行動に迷っている。
さっきまで、性懲りも無く起き上がろうとしては殴られていたが、今はそれが無い。 学習して、策を練っているのか。 はたまた、今この状態でいいのか考え込んでいるのか。 演技をしているだけの可能性もある。 だが、それでいい。
演技か素か、そんなことは分からない。 ただ、これで良い。
学習する、素晴らしい。 感情は要らない、今すぐにでも、不意の一撃を叩き込んできて構わない。
「分かった……貴方に従おう」
これで……良い。
お前は、戦うためだけに、兵器として戦うために作られた。 感情が芽生えたのであれば、追々消してやる。 今は物事を学んで、戦闘経験を積めば、十分だ。
感情を理解したのなら、それだけで十分。 怒れば相手の行動も自然と硬くなるということも学べていれば直よしだ。
「良いだろ、この施設を出るぞ。 お前がマザーボードをいじったおかげで……もうじき自己隠蔽機能が発動して自壊する」
