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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕の望んだユートピア ( No.2 )
- 日時: 2011/05/11 20:56
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
■♯1■
何故だろう、笑いが止まらない。
乾いた笑い声が、暗闇に飲まれる路地に響く。
黒猫の目が光って、僕の赤を鮮やかに照らす。
ふらふらと暗い路地を出ると、そこはもうこの世界じゃなかった。
「あれ……」
さっきまで、ぎらぎらと輝いていたネオンが見えない。
そこは、街灯が照らす、寂びれた道路があった。
「……フフ、何だろう。面白い」
道路はゴミと煙草の吸殻が散乱していて、壁は落書きだらけ。
街灯の下には、小さなテーブルがいくつかあって、男達がテーブルを囲んでなにやらやっていた。
ふうん、路上でトランプゲーム?
……僕も参加しようかな。
そう思っていたところに、一人の若者が歩いてきた。
今で言う、チャラ男。
金色に染めた髪が、青白い街灯に当たって輝いている。
「ねぇ、そこの君。一緒にやんない?」
「もちろん、喜んで」
寂れたこの街に、花が咲くだろう。
■♯1 end...■
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