ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界の怪談(短編集) ( No.1 )
日時: 2011/05/18 21:25
名前: 涼 (ID: Q7YZ/LhH)

  #01 ( パソコン )



「愛海! 好い加減にしなさいっ!! 勉強ばかりしないの!!」

「でもぉ…」

「成績良いのは嬉しいけどあなたの場合はしすぎよ、ほらパソコンを買ってあげるわ」

「ほんと? やったあ」



あたしは勉強大好き人間というあだ名がある愛海まなみと言うわ。

勉強が大好きでもちろん成績も良い。皆に勉強を教えたりする。

学校一馬鹿な子と噂される子があたしの教えた勉強法でしたら、

成績がアップしたというのは秘密。

まあ、とにかくあんまりにも勉強しすぎた所為でママに怒られた。

勉強は程ほどにする約束でその代わりパソコンを買って貰った。

実は前から興味があったんだよね、あたしも勉強以外に趣味はあるよ。

例えばパズルとか、読書とか、世界の色んな国の歴史の研究とか。

完全に年頃の女の子じゃないね。

そんなあたしが初めてパソコンをして慣れてきたころ。


( コメディローズ )


日本語で(面白い薔薇)という名前のブログを見つけた。

何これ?

意味が分からないまま、クリックすれば。


( パンパカパーン )


というラップ音とその効果音の言葉が画面に出た。

しばらくするとまた画面が変わった。

何て言えばいいんだろ、植物とか使った清潔そうな感じの素材だ。

そして画面に映った言葉にあたしは驚いた。


( あなたは記念すべき100人目の方です! こちらに願望をお書きください )


例えばイラストサイトとかでリクエストしてくれるみたいな感じだ。

こちら、その言葉をクリックする。

そして画面は代わり、こんな言葉が書かれていた。


( あなたの願望をお書きください、何でも叶えます )


何これ、絶対に可笑しい。

怖くなったあたしは戻ろうとするけど戻れない。

いくら頑張っても戻れず、仕方なく書いた。

こういう場合は悪い事が起きるのが通例なんだよね……。

怖くなったあたしはパソコンを慌てて閉じ、ベットで寝た。






翌日の朝にあたしは生涯忘れることのない大事件が起こった。

そう、朝の登校中に気が可笑しくなった女の人が、

学校に入り込み、包丁で生徒たちを襲い掛かったのだ。

教師も止めに入り、刺され結果、ほぼ襲われた人は即死の事態に。

助かったあたしはただ罪悪感と恐怖に怯えるばかりだった。

その後、毎晩事件の被害者たちがあたしを責め続ける夢を見た。

そして耐え切れずにあたしは自殺した。



あの日、あたしが書いた願望。

それは——。












ある(コメディローズ)というブログに掲示板にこんな書き込みが。









( 大事件に遭い、自分は助かり事件を体験してみたい! 愛海 )











Fin