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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Trick Animation . . . ( No.1 )
- 日時: 2011/05/19 16:01
- 名前: あぺか ◆xi9CqIOvBg (ID: H6B.1Ttr)
【Prologue——— Episode 00 】
部屋に、ささやく様に風が吹く。時刻は8時ちょっと過ぎ。
起きる時間帯的には丁度良いだろう。
「あんた、バイト午後イチでしょ?まだ寝てれば」
「無理。一回起きちゃったし」
ベランダで母が洗濯物を干す。母に目線をやろうとしたが、
太陽が眩しすぎて無理だった。
しかし、朝だというのに暑い。今は世間一般で言う「春」だ。
緑が生い茂る、輝かしい季節。だが、暑い。
それこそ汗を掻く(かく)ほどではないが、半そでで十分な気温だ。
起き上がって大きく伸びをする。
体の節々が痛い。昨日、よく働いたからかもしれない。
しばらくボーっとしてから、私はリビングへと
階段を下りた。外はキレイに晴れていても、私の顔は
曇りっぱなしだ。
ニュース番組でバカな専門化が何かを語っている。
政治家や官房長に文句を言うくらいなら、
自分で行動を起こそうとしないのだろうか。
「くだらな・・・」
私は、人を信じているけど人に期待しない。
むしろ、一定のラインでしか人を信じられないのかもしれない。
だから、テレビのニュースだけで真実かどうかは判断しない。
それはきっと、私の中に大きな穴が開いているからだ。
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