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1.存在意義




「…ん」

眠い…。

私はぼやける視界で、時計を見た。
…まだ、6時か。
急がなくて良さそうだな。

…さっきの夢、この頃よく見るな…。

私の古傷。
決して消えない傷を思い出しては、私は自分を傷つける。

今は死にたいんじゃなくて、生きてるって感じたかった。
痛みが自分がここに居るってことを証明してくれるから、私は傷つくのが嫌いではない。

また、自分に刃を向ける。
深くやると、血が止まらなくなるから少しだけ。

「…っつ」

刃が皮膚の上を通る感覚がする。
痛みが次第に広がって、血が白い肌に伝った。

…私、生きてる。

心がほっとしている。
痛みを感じて、ほっとしている自分の他に、自分は何て浅はかな人間なんだろうと、呆れている自分も居る。

私って、何なんだろう…。

考えても、分かるわけないけど。
今はそう考えるしかなかった。