ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 【●】 機 甲 妖 精 隊 【●】 ( No.16 )
日時: 2011/05/30 17:13
名前: モノクロ ◆xl4B3i0CLs (ID: rbVfLfD9)
参照: フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜

バベルは天辺を除いて、その殆どが地中に埋まった状態にある。
しかし地上に出ている部分だけでも、直径7000m、高さ500mもある。
地中にはどれだけの質量の物が埋まっているのか、正確には測りきれない。



バベルの上空を、軍用のヘリコプターが轟音と共に通過していく。
その下、バベルの側面にある入り口と思われる開きそうな部分には人が集まり、内部へのアクセスを試している。
バベルの周囲は掘り返されており、現在バベルは数キロに渡る巨大なクレーターの中心にそびえ立っている。
八角形のドームは傷一つない黒い未知の物質で作られており、全てを拒絶するようなオーラを放っていた。

研究員の女性と塔から出てきた少女は、巨大なクレーターの淵からバベルを見下ろしていた。

「いよいよバベルの謎が解き明かされるのね」

「……」

少女は虚ろな瞳でバベルを見ていた。

「……!」

突然、少女は何かを感じ取ったように目を見開いた。
研究員の女性がそれに気づく。

「どうしたの?」

「マスター、バベルの屋根が……」

「えぇっ……」

研究員の女性はバベルに視線を戻した。

──開いていく。

巨大な八角錐の屋根が、花が咲くように開いていくのだ。
屋根のパーツは一つ一つが数キロに渡る大きさがあり、これを持ち上げるには相当の力が必要なはず。
しかしそれらはどれも同じタイミングで動いている。
発見されてから20年近く人々を寄せ付けなかったバベルが、今、自分から開こうとしている。
下では、突然稼働し始めたバベルに驚いて逃げ出す人々で大騒ぎになる。

そして開きかけたバベルの屋根の隙間から──

“何 か が 飛 び 出 し て き た”

しかも複数。
それは巨大なトカゲに翼を生やしたような“生き物”のようなもので、全身に“機械を纏っている”。

「嘘!? アレは……“生物”!?」

研究員の女性は驚愕の声を上げる。
その飛び出してきたソレの内の一匹が、逃げる人々を追いかけるように滑空しつつ高度を落とした。
ソレは自らの口から、広範囲に拡散する光線を吐き出し、逃げる人々を吹き飛ばした。
その一撃でクレーターの周囲が火の海と化す。

オオオオォォォォォン!

攻撃した一匹に合わせ、他の奴らも地上の人間を攻撃し始めた。
一匹は軍用ヘリコプターを尻尾で軽々と叩き落とし、
さらにもう一匹はクレーターの外の施設へ、ミサイルのような誘導性のある物体を数十発撃ち込んで破壊した。
さらに一匹が研究員の女性とシロへ向かって滑空してくる。
そこで研究員の女性ははっきりと“奴の顔”を見た。

鋼鉄の仮面の隙間から除く複数の瞳。

そいつは口を開き、喉の奥を光らせた。