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Re: 【●】機 甲 妖 精 隊【●】 ( No.20 )
日時: 2011/06/04 02:23
名前: モノクロ ◆xl4B3i0CLs (ID: rbVfLfD9)
参照: フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜

奴はまたあのブレスで地上を掃除するつもりだ。

「危ない!」

少女は左手に装着した待機モードの“装甲”を“展開”した。
魔法“錬金”の術式を練り込んだ形状記憶合金が変化し、彼女の体を光の粒子で包み込んでいく。

グォォォォォン

奴の口からブレスが放射され、少女と研究員の女性を飲みこんだ。
いや、爆炎の中から研究員の女性を、お姫様だっこした少女が飛び出してくる。
彼女の体は白い装甲で覆われ、背中の翼型のスラスターを吹かせて飛行している。

“機甲妖精”だ。

少女は研究員の女性を抱えて高台の研究施設の屋上に着陸する。

「──ありがとう、助かったわ」

研究員の女性が息を切らせながら礼を言った。

「どういたしまして」

研究員の女性と少女はバベルの周りを飛び回る、“竜”のような生物を眺めた。
奴らのブレスは地表を溶岩の海へと変えていった。
あらゆる物体を分子レベルまで分解し、灰も残る事無く焼きつくす。
空気中の粒子を吸収し、光速まで加速して発射する兵器、

“荷電粒子砲(かでんりゅうしほう)”である。

奴らはそれを、まるで息を吐くように軽々と発射している。

「なんて事なの……私達は“パンドラの箱”を開けてしまったのね……」

「マスター……」

地面に崩れた研究員の女性に、少女が寄りそう。