ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【●】 機 甲 妖 精 隊 【●】 ( No.9 )
- 日時: 2011/05/27 17:24
- 名前: モノクロ ◆xl4B3i0CLs (ID: rbVfLfD9)
- 参照: フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜フェアリー!( ゜∀゜)o彡゜
プシュー
不意に研究室のドアが開き、若い男性職員が部屋に入ってきた。
息を切らせ、何やら嬉しそうな表情を浮かべている。
どうやら朗報の速報みたいだ。
「武美(たけみ)さん、遂に“バベル”が──おっ! 君は……元気そうだね。調子はどうだい?」
男性職員は女性研究員に何かを伝えようとしたが、ベットにちょこんを腰を下ろす例の少女を見て、まずはそちらに声をかけた。
男性職員は少女の前でしゃがみ、視線を合わせる。
「おかげさまで、問題はありません。ありがとうございます」
少女は精密機械のように正確な角度と動きでお辞儀をした。
「うんうん! そっか、良かったね! なるべく早く“安全な場所”に行けるようにするからね」
少女の無事を確認した男性職員は安心して笑顔を作った。
この少女は塔の中のカプセルで眠っていた重要な研究材料だ。
しかも彼らは彼女の存在を隠している。
何故なら、もしも他の研究グループや国防軍にこの事が知れたら、彼女はモルモットにされてしまうかもしれないからだ。
現在は彼らの研究グループの一部の人間のみが、少女の存在を知っている。
「細谷くん、それで? 何があったの?」
「ああ、そうだ! 武美さん! ついさっき、あの“バベル”の封印の術式が解けたんです!」
「なんですって!?」
研究員の女性は両目を見開いて驚いた。
バベル──それは数々の塔の中でも一番大きく、中には更なる発見──要するに“お宝”が眠っていると思われている重要なオブジェクトの事である。
現在はその最先端が地上に掘り返されているが、その部分だけでも高さ“500m”横幅が“7000m”もある。
いったいその下にはどれだけの質量の物が埋まっているのだろうか……
それには今まで古代の封印の術式がかけられており、中に入ることはできなかったが、それがついさっき解けた、というのだ。
これは世界中の科学者にとって一大スクープである。
「すごい! 皆で見に行きましょう! さあ、貴方も!」
「あの……マスター? 私を外に出してもよろしいのでしょうか?」
興奮して女性が少女の手を引っ張るが、少女は一度踏ん張った。
「大丈夫♪ バレはしないわよ、何かあったら私が適当にごまかすから安心して」
「さあ行きましょう! 今日は地球で一番凄い記念日だ!」
「……分かりました」
男性の職員も子供の用に声を上げてはしゃいでいる。
三人は研究室を後にした。