ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘つきプリンセス ( No.1 )
日時: 2011/05/30 20:39
名前: 桜 (ID: 1xlwHmTN)

「ふぅ・・・。」

あたしは組んでいた足をとき、椅子から腰を下ろす。

丁度いまは7時。

この時間が一番好き。

あたしは小説の「嬢王アリス」が好きだ。

国の嬢王アリスは、まだ20歳だというのに、死んだお母さんのあとを

つぎ、嬢王になってしまったのだ。

最終的にアリスは死んでしまう。

夕暮れを過ぎたあと、少し冷たい風がさまようなか、アリスは1人で飛び

立つのだ。

そう。アリスが死んだのは7時前後。

あたしは冷蔵庫から、ストロベリー味の、赤いゼリーを出しては、小さ

なスプーンでゼリーを口にした。

「さて、ショータイムの始まりね。」

あたしは邪魔くさいドレスを身にまとってドアを開けた。

ざわめく会場には、輝くようなドレスを身にまとった女性ばかり。

あたしはゼリーを一くち口にすると、放送をかけた。

『さぁ、プリンセス達・・・今日も探して下さいね。

  嘘   つ   き   プ   リ   ン   セ   ス

 をね。』

すると、騒がしい会場はもっと騒がしくなった。

叫び声に奇声。

まるで狂人のような醜い顔をした女

泣き叫んで必死に逃げる女

ただ病人のようによたよたとあるく女

「ふふ・・・最高に愉快」

あたしは口元を緩ませた。

そしてゼリーを床にぶちまけて黒いヒールでぐちゃぐちゃとつぶした。

「ふふっ・・・あーははははははは!」

赤→血→死体→殺人→人間→殺す→醜い

「クスクス赤はこんなに素敵なものを連想させてくれるんですもの。



 大好きよ」

あたしは赤いドレスを脱いだ。