ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.8 )
日時: 2011/06/07 19:57
名前: ERio...xx ◆2fprVGDylE (ID: C0UsoifF)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

→005♯


そして、とうとう覚醒剤が発覚する。
私がリビングに居る時だった。


「あんた、何これ」


おもむろにお母さんが私の目の前に出してきた。それは注射器だった。

私は一瞬で冷や汗が溢れた。だらだらだらと流れて行く。
冷や汗が止まらない。止まれ、止まれ。そう言い聞かせた。


「……これはっ…その、友達が渡してきて…っ…」

「これは何なのか……そう聞いてるの、答えなさい」


冷たい視線と言葉がグサリと刺さる。


「………注射器…覚醒剤……」

「何故あんたがこんなものを持ってるの?」

「だからっ……友達に「腕を見せなさい」


間髪を入れずにそう言われた。
私は腕を見せたくなんかない。針の跡だらけの腕なんか。


「や……嫌だっ……見せない…」


抵抗する。やっぱりお母さんの力には負けるなぁ。完敗。
見られちゃった。こんな腕、お母さん、嬉しくないよね。

お母さんごめんなさい。心の中で唱え続けた。


「……この腕…注射の跡なのね?」

「……うん。ごめんなさい…」

「……通帳も、あんたが引き出してたのね…?」

「…うん…ごめんなさいっ!ごめんなさいっ…!」


本心が言ってる。本心がそう告げてる。
何もかも、全部お母さんに話してしまおう。

心臓が引き裂かれたような、そんな気持ち。


「……これは絶対やめないとね…」

「え?」

「ちょっと、こっち来なさい」


私とお母さんは私の部屋に移動した。


「今日から出入り禁止ね。お金も渡さないし、携帯も没収」


…え?出入り…禁止?


「…そんな、そんなっ!お願い!もうしないから!」

「駄目よ、今のあんたは信用できないの」

「お願い!お願いだから!学校には行かせてっ!」


お母さんは私の部屋にある荷物をある程度持ち出した。
そして、鍵を閉めた。こちら側からは……開かない。


「私がいない間はずっとそこにいなさい」

「やだ!ねぇ!嫌だよ、嫌だ!お願い!出して!」


お母さんからの返事は、なかった。