ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.20 )
日時: 2011/06/11 12:37
名前: ERio...xx ◆2fprVGDylE (ID: C0UsoifF)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

→007♯


私の腕は真っ赤。お母さんのお腹も真っ赤。
真っ赤の真っ赤。血の色。真っ赤。

お母さん、起きない。


「お母さん、起きて?ねぇ、起きてっ?」


返事はない。何で?どうして?
あ、そっか。私、お母さんを殺しちゃったんだ…。

殺した…?殺す?私が?お母さんを?


…殺した。


「うわああああ!お母さん!嫌っ!あああああああ!」


私がお母さんを殺したんだ!何で!どうして!
分からない!分からないけど殺してしまったんだ!

どうしよう。お父さんがもうすぐ帰ってくる。どうしよう!
バレちゃう、お母さんの事、覚醒剤、お父さんにバレちゃう!


……もうすぐお父さんが帰ってくる?


……あ、そうか。


殺しちゃえばいいんだ。
そうすれば分からない。私ってば頭良い。

そうだよ。お父さんも殺してしまえば、バレはしない。
なんだ、そんな簡単な事だったんだ。

さあ、お父さん。来い。殺してやる。


私はお父さんを殺す気持ちでいっぱいだった。


「ただいま」


来た。来た。来た。来たよ。お父さん!お父さんお父さん!


「おかえり!お父さん!」

「おう、瑠璃いたのか」

「うん!お父さんおかえりなさい!お母さんが待ってるよ!」




───あの世で。




お父さん、さよなら。




ばいばい。




「瑠……璃……」

「お父さん…お母さんが待ってるよ?ほら、早く行かなきゃ」


お父さんの腹部が真っ赤に染まる。
お母さんを刺したガラスで、お父さんも刺してあげた。




お母さんもきっと、喜ぶよね?