ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.40 )
日時: 2011/07/02 15:57
名前: ERio...xx ◆2fprVGDylE (ID: 3mpQ0ToE)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

→010♯


鼓動が速まる。


ギイ…と、控えめに扉を開けた。そこには由梨が立っていた。
由梨は暗い顔をして、私の方を見てる。どうしたのだろう。


「……ねぇ、瑠璃……どうしたの?」

「え?何が?意味分かんない…よ?」

「だってさっき……


瑠璃、私に電話してきたよね?」

「え?」


私が?由梨に?……電話をした…?
私はさっぱり分からなかった。何の事かも分からなかった。


「してないよ?いつ?」

「んー…と、10分くらい前かな…」


それは私が気を失って寝ていた時間。
私は寝ていたはず。意識はなかったはず。どうして電話を?

私が電話を出来たはずはない。意識がなかったのだから。

なのに、何で?由梨は嘘をついてるの?
誰かが電話をした?ううん、家には誰もいなかった。


「…してないよ……由梨……嘘ついてるの…?」

「違うよ!本当に電話してきたじゃん!」

「私、何て言ってたの?」


由梨は一度黙った。そしてこう言った。


「薬を出せって、ずっとずっと、そうやって叫んでた」

「……え?」


私が…薬を出せ?そうやって、由梨に電話を?
意味が分からない。どうして私がそんな事、意味が分からない!


「……って…何その血」

「えっ?」


ふと由梨の視線の方に目をやると、玄関が血まみれ。
しまった!血を拭き取るのを忘れていた。どうしよう!


「…あは、これ、実はさっきペンキこぼしちゃったんだ」


とっさに嘘をついた。由梨はこう返した。


「……何か、変な臭い…ちょっと、家に上がっていい?」