ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.43 )
- 日時: 2011/07/15 19:01
- 名前: ERio...xx ◆2fprVGDylE (ID: 3mpQ0ToE)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
→011♯
「……えっ?」
「えっ?駄目…なの…?駄目だったかな…?」
「いやいや!だ、駄目じゃないけど、散らかってるから…」
「前はそんなの気にしてなかったのに…」
痛い所を突かれてしまった。どうしよう。
このまま由梨を家に上げるか帰ってもらうか。帰ってもらうのも悪いし。
「……んじゃ…ごめん、和室でいい?」
和室は荒らしてないし、通る時にも見られない。大丈夫だ。
由梨は少し俯いていた顔を上げて、うん、と頷いた。
「別にいいよ?まあ、ちょっと話したいだけだから…」
「ん、そっか、じゃ、上がって?ペンキ、匂いするけど」
「うん……けど、ペンキの匂いじゃなくない?」
何でこんなに鋭いんだろう。由梨は。
「何か、鉄の匂い…というか、生臭い」
「そ?まっ、気にしないで気にしないで!」
私は間髪を入れずに答えて、急ぎ足で和室の方へ向かった。
「……何か、雨降り出しそうだね」
「……そだね」
和室についてから、変な空気が漂っていた。
「瑠璃、どうして、瑠璃が無意識にそんな電話をしてきたと思う?」
「………分かんない。疲れてたのかも」
「そう。私ね、瑠璃が薬を使ってるんじゃないかって、心配になったの」
私は無駄に反応してしまった。
「薬?そんなわけないじゃん!ありえないよ!薬なんてさ!」
「…そうだよね、瑠璃に限ってそんな事、ありえないよね」
分かってる。分かってるけど、辛いな。
由梨、本当の事知ったらどうなるんだろう。怒るかな?
「ごめん、ちょっと飲み物持って来るね」
「分かった、待ってる」
私は急ぎ足で飲み物を取りに入った。帰ってきた頃には由梨がいなかった。
もしかして、リビングに向かったの?どうしよう、どうしよう!
「由梨!何処?何処なの?」
「きゃああああああああああっ!」
由梨の悲鳴。私の脳裏に嫌な予感が走る。
急いでトイレの方行くと、由梨が立っていた。
「何……これ…」
「ど、どうしたの?」
「トイレ行こうとしたら…裏庭に……」
由梨は指を指す。そこには遺体が横になっている。
しまった。トイレの行く道は裏庭に繋がっていたんだった。
心臓が高鳴る。鼓動が速くなり、いっきに汗が流れ出る。
私はガタガタと全身を震わせ、由梨を見ていた。