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Re:   私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.48 )
日時: 2011/07/11 18:54
名前: ERio...xx ◆2fprVGDylE (ID: 3mpQ0ToE)

→012♯


「ねえ、これは…何?」


私は全身をビクッと震わす。


「……これは……」


そこから言葉は一切出なかった。出て来なかった。言い訳しようがないから。
私はそのまま立ちすくんで、震える事しかできなかった。口が重く、開かない。

由梨は真っ直ぐ私を見つめている。少し、動揺もしていた。


「……ねぇ、どういう事なの?これは、お母さんと、お父さんよね?」

「……」


私は黙っている事しかできなかった。「うん」と答えても、それからどうなるのか。


「これは、事故なの、事故!」


言い訳にしか聞こえない言い訳を放った。
由梨は眉間にしわを寄せて、どことなく冷たい視線で私をじっと見つめてきた。
私は冷や汗がだらだらと流れているのを改めて実感していた。


「どこが…事故なの?事故なら普通、警察に言うよね?」

「それは……」

「何?どういう意味?もしかして、瑠璃が、瑠璃が殺したの?」

「……殺してなんか」

「どうしてそんなに生返事なの?殺してないんでしょう?ねぇ?違うの?」


図星を突かれては、どうしようもない。殺したと白状するのか。
それか、前みたいにすればいいのか?


そう、由梨を殺せば、また問題もなくなる。
でも、また人を殺すのか?罪を、犯すのか?どうなんの?分かんないよ。


「……ごめん由梨」

「……うん、分かってる。どうして殺しちゃったの?何でこんな事が「違うよ」

「え?」


私は和室にあった灰皿を手に取る。


「違うの、由梨。これは殺人なんかじゃない。ちゃんとした理由があるの」


───ゴツンッ


鈍い音と共に、由梨は倒れた。


また殺しちゃったな。殺す?ううん、これにはちゃんとした理由がある。

私は絶対捕まらない。