ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   私は私を壊した / 覚醒剤中毒者 ( No.80 )
日時: 2011/08/13 13:00
名前: Erio...xx ◆DPvZRJ5eF2 (ID: 3mpQ0ToE)

→016♯


「どういう……こと?」

「警察に、ちゃんと話すんだよ」

「そんなのっ…………玲!私のこと、認めてよ!」

「覚醒剤持ってる女と付き合ってられるかよ……」


嘘、そんな、玲、酷いよ。酷い、どうして?
私のこと、あんなに愛してくれたじゃない?ねぇ?


「ほら、電話するからじっとしてろ」

「やだ!ねえ!玲!やめて!お願いっ、やめてよ!」

「駄目だ、ちゃんと言おう」

「嫌だっ!玲!やめて!」


私は玲の腕を掴んだ。しかし玲は私を無視して続けた。
私はすでに動いていた。


「……あ、もしもし。警察ですか?今覚醒剤所持で逃走している「玲」

「瑠璃?」

「お願い……やめて?」


私は玲に向かって台所にあった包丁を刺した。
ああ、手に赤い液体が染みていく。服が染まっていく。


「る……り……」

「ごめんね、玲、ごめん、大好き、愛してる……」


玲は倒れて動かなくなった。
私は動かなくなった玲に小さくキスをした。

しばらくすると、サイレンの音が鳴り響いた。
私はこれからが本当の戦いだと思った。
私はポケットに入っている注射器を小さく握り締めた。