ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 遺伝子コード000±0×0 ( No.30 )
- 日時: 2011/06/22 16:59
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: Wp/04zaT)
つまりそれは……リアスが犠牲の会場へ行けば死ぬという事。 そして、行かなければ行かなかったことでリアスの存在が消える。
猶予は1日。 あまりにも短い。
「そうか、君の事情はどうでもいい。 会場を教えてくれないかな、私が部下引き連れて襲撃する」
それに対し、リアスは冷笑し、
「カートン地区、2007番地の教会地下で犠牲は行われてる」
それを聞いたイリスは、携帯電話で仲間と連絡を取る。
『どうしたイリス、今回も尻尾は掴めなかったか? 俺のほうは全く——』
「カートン地区2007番地の教会の地下へ向かう。 急いで準備しろ、猶予は半日だ。 犠牲が開始される前に片をつける」
イリスは携帯電話に向かって吼える。
『どういうことだよ、まさか被検体の生き残りが居たのか?』
イリスはその言葉に微笑み、
「うん、今回の犠牲で発生する適合第一号に聞いた情報だよ、確実なものだ。 それに、嘘は吐いてない。 嘘を吐いていれば私の力で嘘を斬ってる」
嘘を斬る……?
その表現が、エルメスの耳に引っかかった。
確かに、嘘を吐いている事が分かる能力であれば合点がいく。 だが、彼女の会話からは明らかに自分も敵地人織り込もうとする気概が感じられた。 つまり、彼女の能力は人間を傷つけるとても攻撃的なもの。
そして、嘘を斬るの発言。 導き出される答えはいくつかあるが、
「嘘吐いてたら、リアスを斬ってたってことか?」
エルメスがその結論を持ってイリスに問う。
恐らく、嘘を吐いたら相手が両断されるなどといった類のものだ。 場合によっては、条件付で相手を斬り殺すものかもしれない。
その問いに、イリスは驚いたような表情を浮かべ、
「そうだよ、よく分かったね」
一言で返す。
「私の斬【ビカプテイト】は問答無用でものを切倒す力だから。 条件を付けての発動も可能だよ」
「つまり、リアスが嘘を吐いていれば条件付で斬り殺してたってことか……」
エルメスは頭を掻き、呆れたような目でイリスを見つめ、
「リアスの生贄【サクリファイス】は何か別のものを犠牲に自分を守る力だ。 お前の両断能力が、生贄【サクリファイス】経由で俺に当たるんだよ。 分かったら、その物騒な能力を引っ込めてくれないか? ……俺の食欲も、我慢の限界が近い」
そういうと、エルメスは包帯の巻かれた左腕を前に差し出すと、その場の空気をその手のひらに吸い込んだ。 風が吹いたように、その場に空気が新しいものへと入れ替わる。
「俺の否定【ディナイアル】は、俺の意思とは独立してる。 ある程度の規制は利くが、完全には制御できない」