ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒い太陽 ( No.2 )
- 日時: 2011/06/16 23:05
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
次の朝、眩い光に起こされた。時計を見ると、8時。
「ヤバッ!!」
時計を放り投げて、朝ごはんや用意もそこそこにリュックを下げて家を飛び出した。昨日の駅で電車を待つ。ちょうど良かったようで、目的地行きの電車が此方へ走ってきた。今日はついていた。ドアが開き、柔らかい椅子に座る。
通り過ぎていく景色を見送りながら、一息つく。リュックに入れるウォークマンのイヤホンを耳にはめて、音楽を聴く。
目的地の「阿東市」について、大学へといそいだ。校門に入って、またホッとした。なんとか遅刻は免れた。教室に入って、机につっ伏す。それで安心したのか、瞼が急に重くなった。先生の話も右から左へ。シャーペンを持っても手から離れる。
かなり寝ていたようで、席が横の生徒がやっと起こしてくれた時間は真昼間だった。「あれ……」時間の速さについて行けない。だが腹時計は真昼間をさしてくれていた。食堂に立ち寄って焼きそばパンを買う。その近くにある自動販売機で紅茶を買った。
もちろんのことこのあとの授業も頭に入らなかった。「もう無理だ」と判断したため、途中で早退した。電車に乗って、昨日のように電車に揺すられて寝息を立てた。今日はサラリーマンでなく、ポケットに入っていた携帯電話に起こされた。
「大……野。」
仕方なく耳を傾けた。すると昨日の謝罪から会話は始まった。
「昨日はゴメン。冗談だったんだけど……気にしてたか?」
「……。」
正直気にしてなかった。だが、こんなに謝ってくれているのに「別に」と答えるのも少し抵抗があった。
「……少し。」
「そ、そうか。そうだな。悪かった。」
さらに謝られてしまった。何かこっちが悪くなったように感じる。
「気晴らしに俺の好きな喫茶店でも行こうぜ。おごってやるよ。ホントはBARか居酒屋がよかったんだけどな。
「……オレら、まだ18だぞ。」
電話しながら終点へと降りた。
「じゃ、そっち行くから。」
「あぁ。分かった。」
電話を切ると、妙に静けさが勝ってしまった。別に変なのがいるわけでもないのだが、気持ち悪い。足早にその場を立ち去り、大野の家へ駆け込んだ。やけに息切れをしている青年を見て心配した大野は「休むか?」と声をかけたが「いい。行こう。」とまた立って扉を開けた。
大野といると何故か安心する。
さっきの気持ち悪さは何処かへ逃げた。が、また戻ってきそうな予感がした。
喫茶店に着いた二人はカウンターに座る。大野は「よぅ」と店員に挨拶をした。
「あら、いらっしゃい大野くん。お友達の一緒なのね。」
従業員の女性は氷の入った水とお絞りを配った。一旦奥に戻って、メニューを取ってくる。「どれがいい?」と聞かれると選びにくく、仕方がない。適当にチョコパフェを選んだ青年は大野に「かわいw」と笑われた。
「いいじゃないの、ね?わたしもチョコパフェ好きよ。大野くんは何するの?」
「いちごパフェで。」
「お前の方が幼稚っぽいじゃんか!!」
女性従業員は笑いながらオーダーをとった。奥にいるほかの従業員にさっきとったオーダーを見せる。
二人はいちごパフェとチョコパフェを待つ。