ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 黒い太陽 ( No.3 )
日時: 2011/06/16 23:45
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

クリームと色んなフルーツが乗った二つのパフェが運ばれてきた。少しずつ形をスプーンで崩しながら、頬張っていく。大野は「あ。」と青年の方をむいて、手を止めた。
「お前って今、大学行ってるんだよな。」
「あぁ。まるっきりやる気なくしたけどな。」
「いいよなぁー。もう将来の道決めてんだな。」
「お前はどうなんだよ。」
「俺は-------------このままじゃNEETだな。」
「おいおい……ちゃんと仕事見つけろよ。死ぬぞ。」
「わーってるって。アイス溶けてるぞ。」
「……!」
急いで溶けるアイスを飲むように口に入れた。そのせいで、殆ど味わうことなくパフェを平らげてしまった。大野は「あーあ」と残念そうな顔で青年を見つめた。
「お前、何の仕事したいんだ?」
青年はパフェのカップを見つめながら大野に聞いた。小さく唸る声が聞こえる。
「プログラマー?」
「なればいいじゃん。」
「か、簡単に言うなよー!」

やっと大野が食べ終わって、喫茶店を出た。空はすっかり藍色に染まって、白い星が散りばめられる。
しばらく歩くが、何故か無言だった。そして……

大野の家の前に着いてしまった。

「俺、今日お前といる」なんて言えない。大野は「じゃな」と手を振る。「あぁ。じゃ」。そう返すしかなかった。大野が完全に扉を閉めた瞬間に自分の家へと走り出す。

追てくる!

追てくる!

何かが!

追てくる!

家の扉を急いで開けて、鍵をかけた。それでも不安はまだとれない。リビングに入って、その横にある和室へと入った。そこには漆塗りで黒々と光る仏壇。そして遺影。
「母さん……。」
 遺影に吸い込まれるように、座布団の上に座って遺影に映る自分の母を見つめる。

「おい」

背後で人の声。
何故?
ドアを閉めたはずじゃ……?
 恐る恐る後ろを振り向いた。そこには少し水色がかった白髪の子供だった。こんな季節に白いコートと、水色のマフラー。オレンジ色の手袋……明らかにおかしい!怯える目でその子供を見つめる。

「北条……大和だな?」
コクリと頷く。北条は一歩退く。だが、また一歩少年も近づく。別に子供は怖くない。鍵を閉めたのに人がいることに北条は怖いのだ。気づけば母の遺影をつかんで、手だけで抱きしめていた。

「来てもらう。」
「なんでだ……?」
「決まってるだろ?用があるからだよ。」
「なんだよ、用って!!」
手をつかむ少年。すると北条の体中に磁力が起こる!その磁力で押し出された少年の軽い体は障子を突き破って飛ばされる。「いてぇな」と声を掠めながらゆっくりと立つ。北条は自分に何が起こったか分からなくなる。






「……自分でも分からないか。ますます来てもらわなきゃな……!」