ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒い太陽 ( No.4 )
- 日時: 2011/06/17 21:19
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
- 参照: 月食見たかったんだけどな〜。曇ってたっす
その隙をつき、一階のベランダから外へ飛び出す。暗闇を闇雲に走った。街灯に照らされて少年の姿が見える。「何だよ!」不満げにとにかく遠くへ逃げる。
ドスッ
北条の鳩尾にとてつもない痛み。だが前には誰もいない。見えない何かが襲った?幽霊でもあるまいし。
すると次は硬い拳が頬を殴りつけた。かなり遠くへ飛ばされる。頬が腫れてズキズキ痛む。まるで虫歯のようだった。向こうから少年が「お前まで見つけちまうなんてなー!」と言いながら走ってくる。見えない何かと話している。この奇妙な状況に追いつけない。頑張って這い上がり、逃げようと足を一歩出すが「待っとけよ」と冷たい圧力に止められた。
一体俺に何がある--------------
関係ないだろ?
少年は手から冷気を作り出して、凍える風を吹かせた。「よし」事が終わったように手をパンパン払って、また北条の方へと歩いてきた。「連行だ」そう静かに行った。連行。それは悪いことをしたときに使う言葉ではないのか。子供だから間違ったんだろう。北条は何かの悪戯かと一瞬ホッとした。が、少年は北条の腕を引っ張って、どこかへ連れていこうとする。
かなり痛い。大人並みの力で引っ張る。腕が5センチほど伸びそうだった。連れてこられたのは……
一件のBARだった。
押し込まれるように入れられた北条はバランスを崩して豪快にこけた。店内には誰もいない。「なんだ……ここ」辺りを見回し、少年の方を振り返った。
「BAR・Soleil Noir。黒い太陽だ。」
「黒い太陽……。そんな店あったっけな。」
「あった、あった。お前、日頃ここらへん来てねぇからだよ。」
ゆっくりと立ち上がって、棚に置かれる酒をまじまじと鑑賞する。少年はカウンターの椅子に座って一緒に酒を眺めた。北条は「あ。」と少年の方をむいて、今一番聞きたいことを問う。
「俺をこんなとこに連れてきて。何の悪戯なんだ。」
「はぁ。悪戯じゃねぇよ。ここは創謎人(アンノウン)撃退組織『黒い太陽』のアジトだ。お前を連行したのは他でもねぇよ。」
言っている意味が分からなかった。少年は勝手にコップを取り出して、冷蔵庫にあるオレンジジュースを一口飲んだ。
「お前は……Psycho(サイコ)持ちだからな。」
「……英語はよくわからん。」
「英語どころじゃなく、サイコの意味もわかんねぇだろうな。あぁ。まあ、そだな。要するにー超能力みたいなだ。」
北条は頭の中を一旦掃除した。自分はどうやら、超能力を持っているようで……。
「まあ、普通の人間と超能力者は一緒にいちゃいけねぇんだよ。普通(ノーマル)を殺す羽目になっからな。」
超能力者(サイコ)と普通(ノーマル)を分けるために連れてきたようで……。
「普通(ノーマル)じゃ創謎人(アンノウン)を殺せない、と。」
どうやら、セリフを盗られたようで……。
「お前を連れてきた。」
そんな結論に至ったようです。