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Re: 黒い太陽 ( No.6 )
日時: 2011/06/22 21:23
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: n/BgqmGu)
参照: 幸せは 歩いてこない だから歩いて行くんだよ〜♪

「え?どういう……。」
「……あれ、扱い方わかってないのか。うーん。じゃあ、いきなり出撃させちゃってそこで見つけますか。」
グラスを流し台に置いて、北条を立たせる海野。BARの扉を開けて、夜道へ出した。海野は当たりを見回す。
 北条はあることに悪寒が走る。得体のしれない……何かがどこかで蠢いているのだ。バンドもしてもらってない。北条は海野の耳元で言った。

「いるぞ。ここ。」

海野は「え?」とバンドに目を向けた。何も光っていない。クスリと笑って「もう。早まらない!」とオネェのような言い方で北条を肩を叩く。それと同時に、海野の首元に人間じゃない手形が見える。首を絞められている!
 海野は「うう?!」と何が起こったか分からなくなる。当たり前だ。相手は見えない!北条は助けを呼ぼうとBARにいるもう一人の男を呼ぶが……生憎、爆睡だった。
 北条は仕方なしに、見えないアンノウンに突進し、逆に首を絞めた。ゲホゲホと咳をし、海野は「助かった〜」とホッと一息つくが、北条の体勢を見ていそいで立ち上がった。
「待ちなよ!まだそいつじゃ早いって!!」
そう叫んだ。

バチッ

「イテ!なんだ?静電気?」
季節外れの静電気。明らかにおかしい。周りには毛糸のようなものはないし、電柱はあるが、静電気が飛んでくる訳がない。海野はそっと北条のほうを向く。
 彼の周りには蒼い電気が迸っていた。目をこすった。だが、情景は変わらない。普通じゃありえない現象に海野は驚きつつも、喜びを感じた。
「北条君の……Psycho!」
北条が唸るたび、電気は強くなっていく。アンノウンは痛そうに顔をしかめ、姿を現し始める。
「うおおおおおりゃあああああ!!」
夜の街に叫び声が響く。周りは電気の渦に包まれた。磁力で海野は飛ばされる。アンノウンは焦げて、形という名のものを亡くした。荒い息を吐息する北条。海野はゆっくりと体を持ち上げて、「すっげ」と北条を見つめた。

「北条君、すっげー!!あれが君のPsychoだね?」
「……俺、何かしたのか。」
「したした!サイッコーな超能力だったよ!……でも、僕も今までに見たことない能力だった。電気系統の中でも……かなり上級の能力だった。あれだけ強い能力を持ってたら体が持たないよ。そうだ!聞きに行こうよ!斎藤に!」
「斎藤……?」
「うん。白い月のメンバーで斎藤 春閒!通称能力種別博士!あいつに知らない能力はないかもよ。そうだな。今日の7時にでもどうだい?空いてるかい?」
「……ああ。明日は大学が休みだしな。分かった。行こう。」

コオロギの静かな声が響きわたる。