ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

姫は勇者で魔法使い。 ( No.117 )
日時: 2012/02/06 21:45
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: pvHn5xI8)
参照: コメントは後で返します(´;ω;`) 毎度毎度すみませぬ……。

「クロヌ、汝も食べるがよい!! このリンゴ飴とやらはとても美味じゃ!」

何だかんだでちびっ子からもらったリンゴ飴とやらは甘酸っぱくて美味であった!!
家では虫歯がどうのと言って与えられなかったわけだが、16年間もの間、こんな美味しいものの存在を知らなかったというのはいささか残念じゃ。

「いや、もう毒味として食った」

クロヌが壁にもたれ掛かりながら、首を横に振る。

「毒なんて入ってないに決まってるじゃん。 あの駄菓子屋の婆ちゃんと爺ちゃんはそんな面倒くさいことしないもん」

メアクが既に妾が見ただけでも3本目となる棒つきキャンディの封を切る。
今度のものは黄金色に輝く薄いガラスのような見た目をしている。
やはり、美味そうじゃな……。

「……そのリンゴ飴を食べ終えたらあげるよ」

やはり妾の視線に気が付いたメアクがそう言った。
なんか妾が集っているみたいになっておるな……。

「いや、大丈夫じゃ。 後で自分で買いに行くからの」

さっき翔が買ってきた駄菓子の袋の中身を一通り見せてもらったところ、飴以外にも美味そうなものやキレイなもの、何だかさっぱり分からないものが入っていた。
そんなものを売っている店があるなら、是非とも行ってみたいと思うのが普通だろう。
クロヌも興味を示してはいるようで、後で一緒に来てくれると言っておったしのぅ。

「じゃあ、ボクもついてく! どうせ道分からないでしょ?」

メアクが飴を持っていない方の手を上げて、嬉しそうに言った。

「身内以外に優しくするメアクっていうのは新鮮だな」

翔が小粒な手鞠飴を噛み砕きながら、そう呟く。

「(精神年齢が)子供に悪い人はあんまりいないもん。 それに兄様はあれでも人を見る目はあるんだよ」

メアクがニコニコと笑顔を浮かべながら、飴を舐め続ける。
ちなみに、忍はさっき言っていた通り、ご飯を作ってくれているらしい。
妾とクロヌの分が有るかどうか定かではないが、有るのであれば材料費とチップくらいは渡すつもりでいる。

そこへコンコンというドアをノックする軽い音が鳴る。

「何だ?」

扉の一番近くにいた翔がドアを開けながら、返事をする。
すると、忍がひょこっと顔を覗かせる。

「ご飯出来たよ。 そこの2人の分もちゃんとあるから」

忍の言葉にメアクがいち早く反応し、食卓へと駆け出す。
クロヌの方をチラッと見やると、こちらを見て軽く頷く。
これは行っていいという意味なのだろうか……?

「せっかく作ってもらったんだ。 行くぞ」

珍しく考えている妾を見て、クロヌが先に歩き出す。
間違いない、これは食べに行っていいという意味じゃな。