ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 姫は勇者で魔法使い。 ( No.72 )
- 日時: 2011/09/11 22:54
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: yjIzJtVK)
- 参照: 実はこの作品とコメディの方の助太刀部はリンクしています。
騎士団は大多数が男性で構成されているため、我が国の国家……というか、騎士団直属の娼婦なるものがいたりする。
故に、ミコガミの要望はすんなりと通るだろう。
オルドルは時々、女中などを捕まえて夜中によろしくやっているらしいし、ミコガミも騎士団直属の娼婦を抱いたりしているようじゃしのぅ。
クロヌは……。
ん? クロヌに関してだけはこの手の話を噂ですらも聞いたことがないのぅ……。
「娼婦でいいなら用意するわよ〜? サフィールを襲われたら困るし、オルドルやクロヌを襲われたらもっと困るしね〜」
母上がいつも通りののほほんとした笑みを受かべ、そう言った。
「私は別に構いませんけどね」
オルドルもいつも通りの穏やかな笑みを受けべて、母上に返事をする。
そうか……。 構わないって……ん?
さっきの母上の質問に対して、オルドルの「構わない」と答えに、何か違和感を感じるのぅ……。
意味をそのまま受け取ってまとめると、「オルドルはミコガミに襲われたとしても構わない」と言ったことになってしまう。
「……って、うにょねばはぐふぉれしか!?」
「サフィール、言葉が成立していないぞ?」
衝撃の事実に思わず悲鳴に近い奇声をあげた妾に、クロヌが冷静さを保ったままツッコミをいれてきた。
な、何故クロヌはこんなにも冷静なのじゃ!?
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか……」
オルドルが少し寂しそうな表情で、こちらを見やり、シュンとしおらしく項垂れる。
かなり前から見られた傾向ではあったが、オルドルは拒絶を極端に苦手としているらしく、自分の習慣や性格等に否定的な態度を取ると尋常ではないほどに過敏に反応をすることがある。
「サフィール、安心しなさい」
母上がのほほんとした笑みを崩さずに、妾に弁解のためか声をかけてきた。
「オルドルは同性愛じゃなくて両性愛だからね〜?」
母上がオルドルに優しくほほ笑みかけながら、妾に向けての言葉を投げかける。
「うにょ!?」
「何言ってるか、さっぱり分からないぜ」
妾の自分でもよく分からない言葉に、今度はミコガミがツッコミをいれてくる。
オルドルの性癖には驚いているが、ミコガミとクロヌが全く驚かないということにも、驚愕を隠しきれない。
もしかして、このことを知らなかったのは妾だけなのか……?
「ま、それに関しては追々分かればいいじゃなの〜。 じゃあ、本題に入るわよ〜」
母上が答えを適当にはぐらかし、話の流れを変えようと話題を切り替える。
……ここへは用事を聞きに来たわけだし、とりあえずオルドルのことに関しては、保留にしておこう。
「そうそう。 あのね、サフィール達にはちょっとおつかいに行ってきてもらいたいのよ〜」