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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月妖スカーレット ( No.1 )
- 日時: 2011/07/02 17:00
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: itXtuB4h)
【prologue】
「おう。あんちゃん、どっから来たべ?えらいべっぴんさんやなぁ」
「有難う御座います。私、遠い北の街から参りました」
「そうかい。気をつけるんやぞー」
——馴れ馴れしい。 彼女は、そう思った。
すれ違い際に彼女に声をかけた老人に彼女は頭を軽く下げて、見知らぬ街を歩き出した。紅と闇のコントラストで彩られた人間界の街は、彼女にとっては鮮やか過ぎて、目が眩む様な景色だった。緋色に染まる空には、既に紅く照らされた満月が優々と浮かんでいる。
もう直ぐだ。もう直ぐ神楽が、私の為の神楽が始まる。
カツカツと下駄の音を響かせながら、彼女は笑った。
始まる。今、革命が。
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