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Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ  ( No.114 )
日時: 2011/07/14 11:14
名前: 苺歌(いちか)元志乃 ◆2p8ap0KHic (ID: Fas9i7dG)

           第13話


僚が…指をおる!?そんな馬鹿な話あるのか…?
でも指をおらなかったら死ぬ…。
気づけば襲濫と悠氏は俺を見ていた。

「春、お前のしたいことわかってる。電話してあげろ」

悠氏が腕を組みながら言った。

「ありがとう。」

「礼を言うなら襲濫にいえ。こいつがいったんだから」

襲濫は恥ずかしそうにしながらもすぐキリっとした顔になって小さくほほえんだ。俺は携帯を取り出し僚に電話をかける。



「…もしもし?」

20秒ほどたって電話越しから僚の切ない声が聞こえた。

「僚…。いまどこだ?」

「今僕ね…南海岸しってる?そこでね指切る準備してるの。ねぇ、春くん聞いてる?僕ね、指をおるより切るほうがいいとおもうの。いっそ、全部…」

僚…お前なんでそんな楽しそうに言うんだよ…。指なくなるんだぞ?もう器用にお前のしたいこともできない…。くそ…。俺は目に見えない鬼を心からうらんだ。

どうして僚にそんな思いさせんだよ!!!!!

俺は怒りからか僚に思いっきり叫んだ。

「今行くから絶対切るなよ!?いいな!?」

強引に携帯を切り俺は悠氏と襲濫を見る。襲濫が俺の右手に何かをいれて耳元で囁いた。

「これ、お前にやる…。無事をいのってる。俺達は手がかりを捜しながら色んなとこまわる。また会えたら会おう。鬼にみつかるなよ?」

「お前もな…」

俺は鼻で笑い襲濫からもらったお守りを鞄につけると俺は南海岸へ向けて急ぐ。

南海岸は西山高校からかなり近い。どうして海岸なんか選んだんだろう。まさか…。俺の推理がもし当たってたら…。僚!今いくから…。

俺の推理というのはまず海岸というのは海だ。
僚はおそらく指を切った後死ぬつもりだろう。あ、でも他の奴が止めてくれるか。けど、僚と電話した時、他の奴の声なんてしなかったぞ…。

西山高校から歩いて10分で南海岸についた。俺はあたりを見回し僚の名前を呼んだ。

「りょうー!!どこだ?」

「ここだよ…。」

僚は草の茂みから出てきた。何やら右手を左手で懸命におさえている。
どうしたんだろう。怪我?まさかな…。切ったなんてなうん…。俺は試しにきいてみた。

「僚、右手どうした?」

「あ、ごめんね…。僕右手の指…1本だけってかいてたのに全部切ったんだ…」

と、僚は既に指がなくなった右手を見せる。そこからは赤い液体がたくさんふきだしてくる。

「馬鹿だろ…。俺がいくまできるなっていったよな?何で全部切ったんだよ…。」

俺は自分の首に巻いてあった包帯を取る。少し赤くなった包帯だがまだつかえるはずだ。どこにも包帯代わりはない。真っ白いところだけ切り取り僚の右手にまいた。

「春君…首、いいの?」

「いいよ…そんなことよりお前の右手の方が心配なんだよ!!!一度に友達を2人失ったんだぞ?僚まで…失いたくねぇよ…」

俺は自然と溢れ出す涙に耐え切れず途中で涙声になった。
駄目だな、俺。きょうやばいほどなくな。
それより他の奴らが気になって俺は聞いてみた。

「他の奴らは?」

「あ、うん。僕、人に自分の指を切るところ見られたくなくて…トイレいくってごまかしてここにきた。」

「なにしてんだよ。僚…。」

「ほんとごめんね…」

泣きそうに顔を歪める僚。俺は痛々しい僚の右手を支えながら僚の左手を俺の肩にのせてゆっくり歩く。あの時、僚が俺にしてくれたように…。

『ブー ブー』

メールか…。

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送信元 ブラック
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本文:
ミッションをクリアした
三上僚によってクリアされた。
尚、鬼は11人に増えたのでご注意を
ではグットラック
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「ふざけんな!」

俺は携帯を投げようかとおもった。何だよ…人の命で遊びやがって!!
僚は生気を失っているのか声を発さず顔を真っ青にさせときおりふらついている。このままだと死んでしまう…。




どうしたら…いいんだ…