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Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ  ( No.155 )
日時: 2011/07/26 22:47
名前: 苺歌(いちか)元志乃 ◆2p8ap0KHic (ID: k5lEWJEs)

           第15話【京目線】


なんで…?

なんで俺がレイナを…殺さないといけないんだ…。

携帯を持つ手がワナワナと震える。
近くにいた直弥が震える俺の手をつかむ。

「大丈夫か?」

「あ?あぁ…」

直弥…。こいつはいつも元気で明るい奴だ。絡みなんてあんまねぇのに…こういうとき声をかけられると不思議と心が安らぐよ…。

「レイナ…を殺すのか?そんなことしたら…!春も黙っていないぞ!?」

「わかっている…。俺が好きな奴を殺すわけがない…。むしろ、殺せるわけがない…。」

俺は床に手をつき歯を食いしばる。今までこんな経験は初めてだ。大事な彼女を守る…、今思うと春の気持ちもなんだかわかる…。俺は歯を食いしばりながら携帯を手に持ちレイナに視線をおくる。

しかしレイナは俺の視線をかわし冷たい言葉を放つ。

「ばか…。あんたなんて本当は…大嫌いだった!!」

「な、何をいっているんだ…?す、すまない。直弥、レイナと2人きりにしてもらえないか?」

直弥は申し訳ない顔でその場を立ち去る。ここ、東海岸に残るは俺とレイナだけだ。俺はレイナの言葉をかみしめた。

【大嫌いだった!!】

何で…?レイナも美亜と同じになったのか?

俺はもう一度聞き返してみる。

「今…なんて?」

「聞こえなかった!?あたしはあんたなんて大嫌いよ!いい?わかった!?だったらあんたはあたしを早く殺しなさいよ!どうしたの?あんたのこと嫌いなのよ!?」

俺は思った。こいつ…俺を守るためにこんなことをわざといってるんだ。だってこいつ…涙がでてる。本当に俺を嫌いならこんなことはいわねぇ。だろ?レイナ

「ハハ…。俺…もう何もかもわかってる…。お前俺を助けるためにいってるんだろ?そうじゃなきゃなんだこの涙は…」

俺はレイナに近づき抱きしめてレイナの涙をふく。レイナは目から大粒の涙を流し俺にしがみつく。やっぱり…そうだったんだな…。

「お前は俺の分精一杯生きろ。お前には生きて春に伝言してもらわねーとな…。んでもってこれが皆への精一杯の協力だ…」

俺はレイナをつき放し海へと走る。そのすぐ後をレイナが追いかけてくる。

「くるな!!!お前だけはしなせたくない…。じゃあな…」

俺はどんどん海の中にはいっていく。口の中にはいってくる水と意識が薄々遠のいていくこと、そしてレイナの悲鳴

「京ーーーーー!!!!」

レイナ、俺お前が好きだ…、フ…。いまさらいってもおかしいかな?海の中って結構あったかいぜ…。でもお前はまだくるな…。きていいものだけ感じれる暖かさだ…。







お前を守れたかな…レイナ

『ブーブー』

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送信元 ブラック
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本文:
東海岸
ミッション失敗
龍音 京が溺れ死んだ。
君達もこんなことになりたくなければ逃げるんだね。
ではグッドラック
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