ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ ( No.184 )
- 日時: 2011/08/09 11:15
- 名前: 苺歌(いちか)元志乃 ◆2p8ap0KHic (ID: U.0LA5in)
第18話
俺たちは今前田玲於奈を探している。
遼はあれから男らしさがどこか欠けてしまった。そりゃそうか。こわいもんな。わかるぜその気持ち。
俺が数歩歩いて後ろを振り返ったとき息せき切って走ってくる男女が数名いた。
俺を見つけたその男は俺を指差しては「いた!」の連発。
「ここにいたよー?れおなー」
そういった男は野球帽をしっかりかぶりながら後ろにいるかとおもわれる女に声をかける。おそらくこいつが前田玲於奈か、んでこの男は前田の連れとかそのへんだろ。
名前は確か…進藤 進か。進藤の横にはいつも明るい直弥、輝樹と最も仲がよかった人物だ。目にはうっすら涙をためて震えている。その横に岡本 奏 黒川 蛍が黒い笑顔で突っ立っている。
こいつらわれをわすれて「死」がこわいばかりに前田の言いなりになっているのか?そういえばレイナや雷神や華那はどこだ?聞こうとしたとき前田が小さな笑い声をだしながら重い口を開く。
「クスクス、私たち選ばれたね?そろそろする?どっちが勝っても負けても同じね?」
「当たり前だ、正々堂々とこい、どうせ俺たちはいつかしぬんだから」
「クスクス、それもそうね?」
ったく…。こいつの言い方には美亜より腹がたつな。美亜はなんでだろ。あーいうこといわれてもあんまり腹がたたないな。別に彼女とかそういうのではないんだけどな。
「それじゃする?」
ふと俺の後ろに奏がまわる。前田は奏をチラっとみては冷たくわらう。奏が俺の耳元で優しくつぶやいた。
「あのね?玲於奈もうしにたいんだって?だから殺してあげて?そのためには勝って?グーだしたら絶対勝つから」
「あぁ?そんな誘惑…」
俺が言いかけたとき前田はもうすでに言い始めていた。
「ジャンケン!!」
すかさず奏が俺の右手を前にださせる。俺はグー、相手はパー。目の前が真っ暗になった。奏は耳元でありがとうと囁いては冷たくわらう。
「こ、こんなのありかよ!!!!」
「なしだよ」
俺が言ったとたんどこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。まさかとおもい後ろを見るとそこには未だ変わらない襲濫と悠氏がたっていた。今の声は襲濫か…。
前よりもボロボロの服に頬には少しかすれ傷がついている。そのかすれ傷からでてきた血を襲濫は袖で拭い取るとゆっくり前田に近づいて携帯を見せる。
「な、なに?」
「おいおい、まだきづかないのかな?前田さん?メールみてみろ」
なんだっていうんだ?俺も一緒に携帯を見る。いつきたのかわからないが新着メールが1件あった。
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送信元 ブラック
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本文:
前田玲於奈はミッションにおいて違反行為をしたので死んでもらう
なお、前田玲於奈には全身バラバラの刑にする。
ではグッドラック
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「そんな…」
前田玲於奈は携帯を握り締めワナワナと震えている、襲濫は勝ち誇った笑みで睨んでいる。前田玲於奈が俺めがけて刃物をむけた。
「こうなったのもみんなお前のせいだ!!!!!!アアアアアアアアア!!」
前田玲於奈が俺のとこまで後数歩というところでなぜか前田玲於奈の胴体や手、足が切られていく。顔だけになった前田は涙を流して言った。
「死にたくないよ…死にたくなんてないよぉぉぉぉぉぉ」
ミッション失敗…か。これでもいいのかな…。