ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ ( No.24 )
- 日時: 2011/07/03 18:52
- 名前: 志乃 ◆t1/0qBI8YA (ID: Fas9i7dG)
第4話
俺は今、美亜と僚と一緒に逃げている。何処を逃げているのかさえわからない状況だ。学校の下駄箱から外の様子を伺っていると輝樹の姿が見える。その後ろには黒いフードをかぶった男がいる。
あいつ…鬼か…!?危ない輝樹…
しかし、今ここで声を発したら俺たちは…死んでしまう…。
どうする。何か案がないのか俺…。
見つかってもいいのなら…
ふと美亜と僚の顔を見る、2人とも俺の考えてることをわかっている。きっと…。俺を信じてくれ…。2人とも…。
俺は窓を開けて大きな声で叫んだ
「輝樹!!後ろ見ろ!」
「あぁ?うし…」
輝樹は顔を歪ませ猛ダッシュで逃げる。鬼の走るスピードはかなし速く輝樹はあっというまに捕まってしまった。
「っつ!!助けてくれ!春!」
けど俺は顔を背けてしまった…。美亜と僚の手をとると全速力で駆け抜ける。最低な奴だ。そうさ、俺は親友と彼女さえ助かれば…なんて思ってた…。
チラっと窓の外をみると輝樹の首がなくなっている。え…?
鬼はチェーンソーで輝樹の首を切断したのだろう。
鬼の手に輝樹の首があり生々しい血が地面に滴り落ちている。
輝樹の目は悔しそうな目で俺をにらむ。
それでも鬼はまだ物足りなかったのか輝樹の体や足を切断しはじめる。
『グチョグチョ』
切断される音が嫌でも俺の耳に聞こえる。窓を閉めてても聞こえるなんて…造り悪い学校だ。嫌そんなことよりも逃げないと鬼に見つかって殺されるだろう。
美亜は大声で泣き叫びながら走る。
「うわぁぁぁぁぁ」
「みっちゃん!落ち着いて!」
息を殺しながら言う僚。僚は細いくせにこれでもかというぐらい運動神経がいい。このなかで心配なのが美亜だった。
「りょ…くん…」
俺じゃなくて僚の名前かよ…。まぁ、今はそんなこといってる場合じゃねぇ。急いで逃げないと…。
学校を3人で飛び出し近くの図書館に逃げ込む。
中では1台の机を取り囲んでクラスの人たちがたくさんいた。希が黒いストレートの髪を靡かせながら僚に抱きつく。
「うわぁぁぁぁん、りょうくーん」
「のんちゃん…?大丈夫?」
「うん…」
希は薄汚れた足を見せ膝も見せてくれた。膝には一滴の血が滲んでいる。まさか鬼に?そう聞くがはやいが京が答えた。
「希はあせりすぎてそこでこけたらしい。んで輝樹だけきてないんだ。何かしってるか?春」
『知ってる』なんていえなかった。いったらまた…あの光景が頭の中で何度もでてきそうで…。
「いやしらね。てかここに皆いるんだな。安心した。」
「いや襲濫と悠氏は別行動だ。」
「襲濫と悠氏が…?まあ、あいつらなら心配いらないか…もしものことと思ったら連絡いれればいいし」
京が俺の近くに来て携帯を見せる。
「春、こんなメールきたか?春も今すぐ見てみろ」
「え?あ、あぁ」
俺は携帯を開く。ん?新着メール1件だって?誰からだ?こんなとき。
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送信元 ブラック
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本文:
西高校 校庭
重田 輝樹 捕獲
チェーンソーで首を斬り体を斬った
君たちもこんなことになりたくなければ逃げるんだね
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何だこれ…。さっきの出来事が…嫌でも俺の脳裏に浮かんでくる。
「う、うわぁぁあああああああああああ」
「どうしたの!?春くん!」
僚が俺のそばにすぐくるが俺は近くにあった本を無我夢中で投げつけている。俺たちもあんなことになるのかよ…。なんなんだよぉぉぉぉ!!