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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ ( No.49 )
- 日時: 2011/07/07 14:21
- 名前: 志乃 ◆t1/0qBI8YA (ID: Fas9i7dG)
第5話【襲濫目線】
俺は今悠氏と一緒に行動している。本当は華那も連れて行きたかった。けど華那を危険な目に逢わせたくない。俺が図書館を出るとき…。
「なぁ、輝樹…しんだんだって?」
俺が京に聞くと京は腕組みをしながらうなずく。どうして?そんなわけはきけなかった。俺だってメールを見ている、どうやって殺されたかなんて見ればわかる。
けど…どうして輝樹が死ななきゃいけないんだ…?
「だからいっただろ…?さっさと逃げないと俺たちは死んでしまう…わかってくれ…襲濫」
翼はさっきまでの怒鳴りをこのせいにしようとしているつもりだ。
「あ、あぁ」
「こわいです…襲濫」
わかっている。俺だってこわいさ…。華那を抱きしめて俺は目を瞑る。鬼がどこにいるかわからない。このままだったら図書館の中にいつくるかわからない。偵察が必要だ…。
「なぁ、俺少し偵察にいってくるよ」
その俺の一言で何人もの男子が『俺も行く』と手を挙げたが俺は悠氏だけを選んでいった。
「お前ら男子殆どいったら誰が女をまもんだよ…」
俺のそばで震えている華那を抱きしめながらいう。本当はつれていきたい。でも外はあぶない。なら危険性の少ない中でいたほうが身も安心できる。
「いかないでください…。襲濫」
「…わかってくれ、いかなきゃ誰がいく?それにおれはこんなので死んでたまるか。華那を守るのが俺の仕事なんだからよ。だから信じてくれ」
「わかります…」
「京…春樹たちがきたら『俺たちは心配いらない』と伝えててくれ。」
俺が京にそういうと京は1回うなずく。そして震える華那の頭を撫でると小さないすに座らせ俺は悠氏と図書館を出る。
俺の背中には死よりも恐怖よりも『華那の安全』がとてつもなく心配だった。無事でいてくれ…。なにより俺は華那が無事ならそれで…。
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