ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂 気 の 鬼 ご っ こ ( No.60 )
- 日時: 2011/07/07 14:18
- 名前: 苺歌(いちか)元志乃 ◆2p8ap0KHic (ID: Fas9i7dG)
第7話
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送信元 ブラック
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本文:
ミッション1
今からミッションを開始する。
内容は誰でもいいから4人が1人1人自分の血をとり
どこかにある木につけてこい。
できるだけ大量の血をとること。
4人とらなかった場合、全員死ぬ。
とった場合はミッション成功。
とりかたは注射器以外ならなんでもいい。
ではグッドラック。
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ハァ…?何だよこれ…。血をとる?4人?意味わかんねぇよ…。
気づけば美亜が片手にナイフを持って俺の横で立っていた。
「み、美亜?」
「春は血をとるよね?大量にとってあげて?皆の負担をなくして?それでこそ彼氏だとおもうなー」
「そ、そうすればいいんだよな…」
俺は袖をまくりあげて美亜に手を差し出す。美亜のもつナイフは小刻みに震える。どれだけ切るのに緊張してんだよ。
「もうー!!!!!!」
美亜が思いっきりナイフを頭上にふりあげる。まさかこのまま首ごといく気か?それだけは勘弁だ。俺は逃げようとするも美亜に腕をつかまれ逃げれない。
くそ…なさけねぇ。俺…。彼女に殺されるなんてよ…。
「ばいばい?春」
あぁ、俺終わりか。最後ぐらい美亜とキスしたかった…よな…。目を瞑りナイフが振り下ろされるのを待つ。しかしいくらたっても変化がない。おかしいな…。まさか諦めた?目を少し開けると大地【涼風大地】がナイフを持つ美亜の手をつかんでいる。
「お前…馬鹿か?」
「どいて!!!今やらなきゃ誰がするの!?あんたがする!?あんたが血をとってくれる!?」
「落ち着け」
大地が冷静に言うが美亜は狂ったようにナイフを大地に向ける。ナイフを持つ手はかなり震えている。
「死ぬのがこわいの!!!!!!!だから…。やってよ…。血をちょうだい…?」
「わかったから、春には手をだすな。」
そういうと大地は美亜から強引にナイフを奪い上げると自分の手首に刃を当てる。涼風大地 クールで毒舌で人より自分っていうキャラだったのに…今こんなに俺を庇っている…。あの大地が…?
大地はナイフを持つ手に力を加えグっと突き刺した。途端、大地の手首からかなりの血が大量にふきだしてくる。まるで…噴水のように…。大地は痛いという一言を発せずに顔を真っ青にさせながら倒れこんだ。
「だ、大地!!」
俺は倒れた大地に駆け寄る。
「…る。こ、れ、でお前の…ハァ…ハァ…役にたてた…?」
「…なんで俺を庇ったんだよ…」
「だって…友達だから…」
そこまでいって大地は何もしゃべらず目を閉じる。女子からの悲鳴声と一緒に美亜の狂ったような笑い声が俺の耳元で聞こえる。美亜の手には真っ赤な血がベットリついており何かを呟きながら図書館を出る。
図書館はあっという間に血の水ばかりとなった。でも大地はまだいきてるはずだ。大地…。
「なぁ、華那、大地を手当てしないとな。包帯ないか?」
「あ、あります」
華那はもってきた鞄から包帯を取り出すと俺に手渡す。大地は横たわって何も言葉を発しないがきっと生きている。大地の手首に包帯を巻き大地を側のソファーにそっと寝かせた。
さて、大地、お前よくがんばったよ。すごいとおもうよ。これはもう誰かがやらなきゃならないんだよな…。今別行動をしている襲濫…悠氏…俺、お前らを信じてもいいですか…?
俺はさっき大地が使ってたナイフを手にすると自分の首に刃を当てる。
「お、おい、何するんだ…?」
京が俺に聞くが俺は何も答えず首に当てた刃をグッと押し込める。大地ほどではないが血は大量にでてきた。これでいいんだよな…?俺は大地の血を自分の片方の指につけ、もう片方の指に俺の血をつける。
「い…ってくる」
フラフラした足取りで俺は図書室からでようとした。
「春くん・・・1人で無理しすぎ…。僕もついていくから」
「…サンキュー」
「どうってことないよ」
そういって僚は笑顔で俺の腕をとり、僚の肩においた。ゆっくりした足取りで俺は歩く。首からは少しだけだが血がでてきている。くそ、どこかの木につけて早く包帯…。
あ、そこにあんじゃねーか…。2本の木を目指して俺はゆっくり歩く。僚もそのペースにゆっくりついてきてくれた。
あと…もう少し…
あと…。