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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.12 )
- 日時: 2011/07/09 13:12
- 名前: 王翔 (ID: 9Kj3alWT)
第八話
あれから、叶斗は寝返ってくれたらしく、教会にやって来た。
「なあなあ、トイレってどこだっけ?」
「お前、それ何回目だ。もう10回は教えたぞ」
「……(コクコク)」
「えー、だって、ここ広いからさ」
「他の奴に聞け」
何度も付き合ってられるか。
「しょうがないな。おーい、ガブちゃん、トイレの場所教えて」
叶斗の言うガブちゃんは、リエのことだったりする。
「ちょっと、その呼び方やめなさいよ!!てか、何で私が
アンタに教えなきゃなんないわけ!?」
ガブちゃんと言う呼ばれ方をしたリエは、プンスカ怒って
いる。
「えー、べつにいいじゃん。それにしても、それぐらいで
怒るなよ」
「怒るわよ!もう半径一メートル以内に近づかないで!!」
放っておくか。
俺は、稀射を連れてサポーター室に行った。
「お、帝雷に稀射じゃないか」
出迎えてくれたのは、サポーターのリーダー的存在である
我雲だった。
「よしよし、稀射。ここには慣れたか?」
我雲は、にこにこしながら稀射の頭を撫でる。
「……(コクコク)」
「それにしても、帝雷。お手柄だったな」
「何が?」
「叶斗のことだよ。うまく説得して、半悪魔をこっちに引き
入れるなんてすごいじゃないか」
「べつに……アイツが元々そんなに悪い奴じゃなかったんだろう」
「ま、それもそうだろうけど、お前のおかげだよ」
「……(コクコク)」
稀射も、頷いている。
褒められるのは、ちょっと苦手だ。
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