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第十五話


俺は、稀射とクリオを連れて海に来ていた。

海と言っても、まだ泳ぐには早すぎる時期なので、あくまでも

見るだけの目的だ。

クリオが嬉しそうに周りをキョロキョロ見回していた。

「キョロキョロするな、クリオ」

「え〜なんで？」

「何でもだ」

「むー……」

クリオは、むすっとした表情をした。

稀射は、砂に枝で落書きをしていた。

うさぎの絵だった。

「それは……うさぎ、か？」

「……（コクコク）」

「わあ〜、かーわいー！稀射ちゃん、うさぎ好きなの？」

「……（コクコク）」

「……」

稀射は、視線を下に戻すと、続きを書き始める。

「それにしても」

「何だ？」

「帝雷も頑張ってるなあって、思って」

「は……？」

クリオの言葉に、思わず固まった。

「いやあ、よく稀射ちゃんの面倒見てるし……変わったなあって」

「そう、か……」