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- Re: 半天使【無言の小学生】 ( No.7 )
- 日時: 2011/07/08 11:33
- 名前: 王翔 (ID: aU0XF0c4)
第五話
いくら、半天使と言っても学校には通う。
今日から、平日なのだが……ある問題が浮上した。
稀射のことだ。
「……」
「稀射」
「……(フルフル)」
何が何でも学校に行くつもりはないらしい。
まあ、言葉を発しない稀射にとって、学校に行くのは苦痛でしか
ないのだろう。
どうするか……
コンコン
不意にドアがノックされ、扉が開いた。
入って来たのは、水奇だった。
「帝雷、お願いがあるんだけど」
「何だ」
「稀射を、一緒に学校に連れて行ってほしいの」
「しかし、稀射はあの調子で……」
「ううん、そうじゃなくて、稀射も高等部に連れて行って
ほしいの」
「は……?」
小学生を、高等部にだと?
いくらなんでも、無理だろう。
高等部は、小学生のお守りなど受け付けてはいない。
「大丈夫、許可は取ってあるから」
「……」
許可が下りるのか。
一体、どんな方法を使ったんだ?
「だから、稀射もいってらっしゃい。帝雷が一緒にいてくれる
からね」
「……(コクコク)」
いいのか……
そんなわけで、稀射を連れて学校に行くことになった。
「稀射ちゃん、頑張ろうね」
クリオがにこにこと稀射に声をかける。
「……(コクコク)」
「黙りなさい、ロリコン」
リエがクリオにそう言った。
小学生に話かけただけで、ロリコンなのか?
昼休み、
昼食を終えた俺は、稀射を連れて廊下を歩いていた。
「図書室でも行くか」
「……(コクコク)」
本を読むのが好きらしい稀射は、あっさりと頷く。
図書室に入る。
とりあえず、本を見ていた。
その時、ある少年に声をかけられた。
「お、小学生か?」
「……」
「悪い悪い。自己紹介、だよな。俺は、飛与田 叶斗。
図書委員なんだ」
「俺は、帝雷。こっちは、稀射」
「へえ…帝雷に稀射か。稀射ちゃん可愛いなー。大きくなったら
俺のお嫁さんにならない?」
叶斗は、稀射の頭を撫でながらそう言った。
「……(フルフル)」
即答だった。