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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: welcometo heaven 天国へようこそ:参照300 ( No.56 )
- 日時: 2011/09/01 22:18
- 名前: 王翔 (ID: Uz7lWEnD)
第七章
「レンからなのですよ」
「え……?」
予想外の返答に、思わず目を見開いた。
レンレン宛てに毎日ある手紙は、レンからなのか?
何で? 一緒にいるんだから、わざわざ手紙として届ける必要もないんじゃないか?
わけが分からず、黙っていることしかできずにいた。
「せーちゃん、レンと心中したのは……あっ!」
レンレンが突然、俺の背後を見て青ざめる。俺は反発的に後ろに振り向いた。
そこには、すっかりお馴染みになったが、いつ見てもゾッと鳥肌が立つような、モヤモヤとした黒い影……死喰い人だ。
そうだった……。自殺したり、殺された魂に寄ってくるんだったな。
今、隣にいるのはレンじゃなく、レンレンだ。
俺がやらないと……。
短剣を取り出し、死喰い人を一閃する。
あっさりと消え去ったと思うとまた、新たな死喰い人が現れる。
死喰い人の打撃を短剣で弾きつつ、後退した。
短剣を構えなおし、大きく振るう。
短剣から、発せられた白い衝撃波が死喰い人を襲った。
まだ、いる。
倒しても倒しても、消えない。
「せーちゃん!」
レンレンが、慌てたように俺の服の袖を掴んだ。
「無理しちゃダメなのですよ! こう言う時は逃げるのがいいのですよ! キリがないのです!」
「そう、だよな……」
ここで、やられたら、レンレンも危ないだろうし……、この状態だと逃げた方が懸命かもしれない。
レンレンを抱えて、全力で走り続け、森を出ると家に駆け込んだ。
玄関で息を整える。
レンレンに向き直り、尋ねる。
「レンと心中した相手って言うのは──」
「私なのですよ。私は、元々人間だったのです」
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