ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 悪夢 〜華〜 ( No.9 )
日時: 2011/08/12 23:01
名前: 桃犬 (ID: ptyyzlV5)

彼女は彼女が見たことを全て話してくれた。最も、その中に嘘偽りがあるかは別として。

事件は5日前に起こった。不思議なことに私が夢を見た翌日だった。
その日、三津井さんは姉といっしょに町外れの公園に来ていたらしい。二人で木陰に座って休んでいたとき、背後から何者かが現れた。そいつはナイフを所持していたらしい。記憶はそこでとぎれている。三津井さんは気絶してしまったとのこと。
「犯人の顔は見ていなかったんですか」
「全身フードで覆われ、マスクもしていて、性別さえ分かりませんでした」
三津井さんが気がついていたころには、自分がナイフをにぎっていてそばに姉が倒れていたらしい、あたりは血まみれになり、犯人は消えていた。
ナイフには姉の血がついていたことから、警察は三津井さんを逮捕しここにいたる。
「でも、犯人の指紋や血液は残っていなかったのよね」
「ええ、そうみたいですね。でもそんなもの後からふいとけば何とかなるんじゃないですか?」
「そうね・・・」
私たちは状況を詳しく知るために現場へとむかった。