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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 1章 白と黒の夜叉 第1話 ( No.10 )
- 日時: 2011/07/25 00:14
- 名前: 夜叉 (ID: laYt1Tl.)
——空全体が明るくなり始めた頃——
ベッドの上で静かに眠る白夜叉に影が近寄る。
右手には鈍く光る包丁。
その影がゆっくりと白夜叉に近寄っていく。
「……」
白夜叉に起きる気配はない。
静かに影の右手が持ち上げる。
狙いは喉元。
影がうっすらと笑う。
「フフフ」
と同時に右手が振り下りる。
そして白夜叉の喉に突き刺さる。
寸前で白夜叉の右手が素早く包丁の刃を指で挟む。
と同時に目も開く。
「おい」
「あれ?起きちゃった?」
影の正体は沙羅だった。
「……お前は何してんだ?」
「ほら起こしてあげようかと思って」
「殺してあげようの勘違いじゃないのか?」
「そんな気ないよ〜」
「殺気はあるのにか?」
「ハハハ……」
「笑って誤魔化すな」
「……」
「あと包丁から力を抜け」
「……チッ」
「……ったく」
白夜叉はベットから起き上がると沙羅から包丁を奪い取る。
「次からは普通に起こせよ」
ため息交じりに白夜叉は沙羅に言った。
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