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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 2話 ( No.14 )
- 日時: 2011/07/27 00:54
- 名前: 夜叉 (ID: laYt1Tl.)
「ほら見て」
沙羅がそう言って白夜叉に突き出した物は新聞紙。
それも今朝の。
「これがどうかしたのか?」
「次の一面を見て」
沙羅の言った通りにページを捲ってみると隅っこの方に次のように書いてあった。
『麻薬密売人殺害。昨夜廃墟となったビルの屋上で密売人が何者かに殺害されるという事件が発生。警察が現在調査中。』
「これは……」
「昨日の狩りが載ってるんだよ。これで白夜叉も有名人だね!」
「……お前は何も感じないのか?」
「え?何が?」
「この記事がオカシイって。」
「え?どうして?」
「俺が昨夜狩りをしたのは何時だ?」
「1時28分」
大した記憶力だ。
「じゃぁ、朝刊がこの家に届けられるのは?」
「3時頃」
「俺が狩りをしてからたったの1時間半後にはもう新聞に載っている。どう考えても間隔が短すぎる」
「……確かに」
「考えられる原因は2つ。1つは偶然あの死体が早く見つかってしまった」
「もう一つは?」
「……俺の狩りを誰かが見ていた」
「……それはないんじゃないかな」
「だと良いがな」
ふと窓の外を眺めると空は晴れ渡っていた。
清々しいくらいに。
毒々しいくらいに。
空は晴れ渡っていた。
——今夜もまた白夜叉が狩りに出るのだろうか?——
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