ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

プロローグ2 ( No.8 )
日時: 2011/07/24 16:51
名前: 夜叉 (ID: laYt1Tl.)

男を始末し、ビルとビルの間の暗闇を歩く白夜叉の前に人が現れる。

「今日の『狩り』はどうだった?」

白夜叉よりも一回り小さな女の子。
白い肌に長く綺麗なブロンドヘアーが笑顔とよく似合っている。
可愛らしい子だが、白夜叉の紅い姿を見ても全く動じる様子はない。

「沙羅か」
「着替えどうぞ」

沙羅という少女から服を受け取ると、白夜叉は夜叉の仮面を外し代わりに仮面を渡す。

仮面の下の素顔はずいぶん整った顔だった。
沙羅ほどではないが白い肌に長い黒髪。
一目では女と錯覚しそうな容姿。

「やっぱりこんな仮面つけないで狩ればいいんじゃないの?」
「素顔をさらすのは危なすぎるだろ」
「いいじゃない。どうせ見たって死ぬんだから」
「誰が見るかは分からないだろ?」
「じゃぁ、見た人全員殺せば?」
「俺は見境無く人を殺してるわけじゃない。お前も分かってるだろ?」
「冗談よ冗談。だから、そんな怖い顔しないで」
「……帰るぞ」
「あぁ〜!待ってよ!」

そうして二人は暗闇へと消えていった。
その場に残されたのは紅い紅い白装束だけ。