ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 始まりは復讐から‐殺人鬼になった少年‐ ( No.22 )
日時: 2011/08/10 11:19
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: aiwVW5fp)

第五章

『……所によって、雨が降るでしょう。お出かけの際には、傘を持っていくと安心ですね。』

『ありがとうございました。では、次のニュースで……』

ブチッ、テレビが切れた。雄人は、リモコンを放り投げる。かなり強く投げたのか、電池が飛び出した。

(今日は雨か。ま、殺すのに雨も晴れも関係ない。ぼくはただ、趣味を楽しもうとしているだけだ。)

そこらへんに放置されていたナイフを無造作につかむと、鍵も掛けないで家を出た。外は明るく、まだ雨の降るような様子はうかがえない。それどころか、まったくの晴天だ。こんな晴天の空の下で、傘を持っている人を見ると、おかしく思える。雄人の住んでいるマンションは、大通りがすぐ近くにあり、交通アクセスには便利なところだった。少し歩けば、昼夜問わずにぎやかな通りに出ることができる。ここではもちろん、ナイフはしまってある。